下の子が生まれると、とたんに上の子はお兄ちゃん・お姉ちゃんになります。上の子だってまだ幼いのに、親はどうしても手のかかる下の子に時間をとられ、上の子には「しっかりしてほしい」と思ってしまう傾向があるようです。それが悪いわけではありませんが、上の子にとっては理不尽に感じることもあります。その傾向が強くなりすぎ、親子関係になんらかの問題を引き起こすことを、俗に「上の子かわいくない症候群」と呼びます。自分にもその傾向があると気づいたらどうすればいいのでしょう? 今回はその対策について発達心理学者の岩立京子さんにうかがいました。

MENU 「上の子かわいくない症候群」に陥りやすい最大の要因はワンオペ育児 上の子の気持ちに寄り添ってみる。「この子はどうしてほしいんだろう」 「ぼくと赤ちゃん、どっちがかわいい?」と聞かれたらなんて答える? 上の子が喜ぶことは何かな? 「うれしい」を暮らしの中に

前編から続く】

「上の子かわいくない症候群」に陥りやすい最大の要因はワンオペ育児

「上の子かわいくない症候群」に陥りやすい要因を、「ホルモンバランスの変化で不安定になるから」とする意見もあるようです。確かにその可能性もありますが、私は親子をとりまく環境的な部分が大きいのではないかと考えています。

 もしもご自身が「子育てがつらい」「子どもをかわいく思えない」「怒ってばかりいる自分がイヤだ」と感じているのであれば、以下のような状況になっていないか振り返ってみてください。

(1)子育ての負担を自分だけで背負っていると感じる。

(2) 夫(妻)に支えてもらっている実感がない。

(3) 食事や睡眠が十分にとれていない。

(4) 掃除や片づけが滞り、気になっていても時間がなくて対処できない。

(5)ストレスを発散できる場所がない。

(6)人に相談することができないで抱え込んでしまうタイプだ。

 上記のような状況は、いわゆる「ワンオペ育児」の状態といえるでしょう。子育て世代は仕事上でも多忙な時期。父親が家にいない時間が長い人も多いことでしょう。

 であれば、それ以外に頼る人を探してみることも必要です。

 おばあちゃん・おじいちゃん、親戚などで手伝ってもらえる人はいませんか? 親子で遊んだり、つらい気持ちを共有できたりするママ友・パパ友はいませんか? 少しの間子どもを見てもらって気分転換できれば、それだけでもずいぶん状況は変わってきます。

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神素子
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