最初は「女の子にはバレエを」と思っていた母も、ジャンプを頑張りだしてからは目いっぱい支えてくれました。それは今でも変わりません。「結果より楽しんで飛べるように」ということを常に考えてくれるのが、やはり母親だなあと思います。
バレエとジャンプは関係がなさそうに思えますが、意外にそうでもないのです。バレエで体が柔らかくなったおかげで、私は子どものころから転倒によるけががほとんどありませんでした。コーチである父の一番の教えが「けがはするな」でしたから、バレエをしていたことでその教えを守ることができました。両親もまさか、バレエがジャンプに役立っていたとは思っていなかったはずですが(笑)。
高校は、旭川市にあるグレースマウンテン・インターナショナルスクールに進学しました。この学校を選んだのは、ジャンプに集中する時間を増やしたかったからです。入学してからすぐに「高校卒業程度認定試験(旧大検)」の合格を目指しました。試験を受けるまでの4カ月の間は、人生で一番勉強しました。1日12時間ぐらいでしょうか。この期間だけは、練習より勉強メインの生活でした。最初の試験で無事合格できたため、その後はジャンプに集中できました。
インターを選んだのは、海外に行ったときに英語を話せたらいいなと思ったことももちろんあります。海外の大会などで、周りの選手とコミュニケーションをとれたらと。ただ4カ月で試験に合格し、国際大会を転戦していると学校に行く日数も限られてしまい、英語を勉強する時間は実際にはあまりとれませんでした。
その2年後、17歳のときに飛び級で日本体育大学に進学しました。私の場合、学校選びで最優先事項としたのは「ジャンプの練習のために、時間を有効活用し、必要な知識を学べるかどうか」でした。時間を無駄にはできません。目指す目標があり、そのためにすべきことがはっきりしているので、「やるしかない」という思いがいつもありました。
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