そのほかにも難関校では、駒場東邦(世田谷区)が565人から611人、栄光学園(鎌倉市)が750人から816人、聖光学院(横浜市)が1431人から1622人、吉祥女子(武蔵野市)が1583人から1632人、雙葉(千代田区)が381人から401人へと、志願者数を伸ばしている。

 来年は横浜雙葉(横浜市)が2月2日入試を新設し、1日と合わせて2回行う。2月入試の面接は廃止する。

「今まで全く動きがなかった伝統校だけに、影響は大きい。2月2日入試の鎌倉女学院(鎌倉市)、湘南白百合学園(藤沢市)などに影響を及ぼすのではないでしょうか」(安田さん)

 神奈川の女子校でトップに立った洗足学園(川崎市)が、今年から入試の2科を廃止し、4科一本に絞った。

■国際系新進校の人気は安定

 女子校から共学化し、校名に「国際」を冠した新進校は、今年も人気だ。芝国際(港区 ※現校名:東京女子学園)は、初年度から志願者を4033人集めた。新しい時代の教育を標ぼうし、港区の芝に12階建ての校舎を新築。校内にサイエンスインターナショナルスクールが同居するなど、グローバル教育を打ち出している。同じくサレジアン国際学園世田谷(世田谷区 ※現校名:目黒星美学園中学校)も、1061人と大勢の志願者を集めた。22年開校の姉妹校、サレジアン国際学園(北区)も増加した。

 21年に開校し、2年連続で大勢の志願者を集めた広尾学園小石川(文京区)は4047人から2911人に減少。難関校に育った広尾学園(港区)と同じ教育が受けられるとして、話題になっていたが、今年の減少は、芝国際の開校が影響したものと見られる。人気の広尾学園は3451人から3802人に増加した。

「広尾学園小石川は、志願者が減ったからといって、易化したわけではありません。初年度と2年目が異常に多かった。下の層が抜けただけで、厳しい競争には違いありません」(声の教育社常務取締役・後藤和浩さん)

 国際系の新進校について、後藤さんは次のように警告している。

「マスコミなどにひんぱんに登場すると、話題になって志願者が集まりやすくなります。同じ国際系でもカリキュラムが違うので内容を確認したほうがいい。また、大学実績も難関大は帰国生が占めているケースもある。そういった点も調べたほうがいいでしょう」

 倍率が異常に高くなると、偏差値だけでは合否が読めなくなる。併願校は、塾の先生と相談して慎重に決めたほうがよさそうだ。

(柿崎明子)

著者 開く閉じる
柿崎明子
ライター 柿崎明子

1 2