――そのスタイルとは?
「思い切って絞り込む」ということですね。あれもこれも全部!型の受験をやめて、成果の上がる勉強だけに絞るというスタイルです。
まずは「志望校の絞り込み」です。不安だから、いろいろな学校の候補を残しておきたいとなるのが、普通のご家庭なのですが、塾辞めでの受験でいくなら、受験校を思い切って絞ることが大切です。
学校を絞ることで、その志望校の出題傾向を見て、わが子の現状と照らし合わせ、何が足りないかを分析することができるようになります。つまり、結果につながる志望校の過去問対策がしっかりできるということです。
そこでいらないものは切り捨てる。オールマイティーに通用する学力はもはや目指さない。秋以降塾を切って合格するパターンは全員これです。
――イメージはわきます。ただいざ実行するとなると難しそうですが。
そうですね。簡単ではありません。特に気持ちの面で、ご家庭単独ではきついと思います。家庭がいきなり塾の代わりになれるはずはないわけですから。誰かプロがいないと無理なスタイルではあるでしょうね。
過去問の分析をして、合格ラインにのせるには各科目何点乗せられるかを研究し、その子なりのプログラムを作らないといけません。『家でなんとかしよう』と思ってしまう親御さんもいるかもしれませんが、ちょっと考えてみてください。例えば、サッカーのクラブチームに入っていて、『このクラブでは上達しそうもないから辞めよう』となったとします。だからといって家での親子練習だけで子どもを伸ばすのは難しいですよね。それと同じです。それに、子どもだって親以外のプロの意見も欲しいのです。一定基準の確からしさのある人にアドバイスを聞いて、納得感を持てなければ子どももやる気がおきません。
そういう意味で、支えとなってくれる専門家はいてもらった方がいいでしょうね。
――塾に行かないとなると家庭で学習する時間が増えますが、うまく過ごすためのポイントは?
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