「プーチン政権は3大テレビを国営化して、クリミア併合やシリア空爆、その他でロシア軍が華々しい勝利を得つつあるとのニュースを垂れ流してきました。国民は食べ物が不足しても、テレビを見れば安心することができた。しかし、最近インターネットの普及によって、必ずしもテレビが事実を伝えるわけではないと悟るようになり、国民は“空っぽの冷蔵庫”を心配し始めるようになってきているのです」(木村さん)
今後は一般国民からだけでなく、側近のエリートたちの不満が爆発するかもしれないと木村さんは予想する。
「プーチンはクーデターを恐れて、大統領府長官をセルゲイ・イワノフからアントン・ワイノへと代えるなど、側近エリートたちの若返りに努めています。ただ、本来行うべきは抜本的な経済改革のはず。ここに手をつけなければ、GDPが世界13位のロシア経済はさらに低迷し、国際政治でのプーチンの影響力も次第に失われていくでしょう」(同)
(ジュニアエラ編集部・吉田美穂)
※AERA 7月2日号
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