和食とイタリアンを極めた浅草橋の行列店店主が最後に“ラーメン”を選んだシンプルな理由 (1/5) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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和食とイタリアンを極めた浅草橋の行列店店主が最後に“ラーメン”を選んだシンプルな理由

連載「ラーメン名店クロニクル」

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らぁ麺 やまぐちの「鶏そば」は一杯880円。毎朝5時からスープを仕込んでいる(筆者撮影)

らぁ麺 やまぐちの「鶏そば」は一杯880円。毎朝5時からスープを仕込んでいる(筆者撮影)

 日本に数多くあるラーメン店の中でも、屈指の名店と呼ばれる店がある。そんな名店と、名店店主が愛する一杯を紹介するこの連載。ラーメン激戦区・高田馬場で開店2年目からミシュランのビブグルマンに5年連続掲載される鶏清湯(とりちんたん)の名店「らぁ麺 やまぐち」の店主が愛するラーメンは、和食を極めた店主がその経験の全てを丼に込めた究極の一杯だった。

【絶妙!和食を極めた店主が一杯の丼に注いだ究極のラーメン(全11枚)

■スープや具材、看板までも「真似」され人間不信に

 2013年1月、こってり濃厚系が全盛だったラーメン激戦区・高田馬場に、あっさり鶏清湯の醤油ラーメンで勝負をかける店が登場した。“自作ラーメン”がコンテストで賞を獲ったことがきっかけで、ラーメンの世界に飛び込んだ山口裕史さんの「らぁ麺 やまぐち」だ。開店1年目から行列のできる人気店となり、業界最高権威ともいわれるTRY新人大賞を受賞、2年目にはミシュランガイド東京のビブグルマンを獲得した。以来、5年連続の受賞となっている。
ミシュランガイド東京のお墨付きだ(筆者撮影)

ミシュランガイド東京のお墨付きだ(筆者撮影)


 鶏清湯の醤油ラーメンは、鶏と水のみで作るスープに、生醤油を使った醤油ダレと鶏油を加えるのが特徴だ。鶏と醤油の香りと旨味がダイレクトに感じられ、あっさり系ながらひと口目から大変なインパクトを残す。町田の「ラァメン家 69’N’ROLL ONE」(現在は尼崎に移転。「らぁめん矢 ロックンビリースーパーワン」として営業)が火付け役となり、「やまぐち」「飯田商店」「トイ・ボックス」などがその人気に拍車をかけたとも言える。
ラーメンを作る店主の山口裕史さん(筆者撮影)

ラーメンを作る店主の山口裕史さん(筆者撮影)


 だが、鶏と水というシンプルな作りのためか、有名店の味を真似するお店が続出した。「やまぐち」のラーメンも例外ではなかった。スープの味や麺の仕入れ先、メンマの置き方、さらには看板まで「やまぐち」にそっくりな店が現れた。人気店は真似されてナンボ、とも言うが、似たような店が乱立するなか、自分のラーメンのアイデンティティをどこに置くべきなのか山口さんは悩み苦しんだ。


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