
AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:職場の人間関係で悩んでいます。あからさまに嫌な人はいませんが、人の癖や語調、態度、考え方に心がザワザワすること、許せないことが少しずつ積もり、仕事が手につかず、深呼吸と心の整理に席を外すことがあります。去年結婚しパートナーと楽しく過ごしていますが、今から転職をする労力、共働きをする妻のことを考えると、将来が思いやられます。(男性/公務員/29歳/しし座)
A:お便りをありがとうございます。このコーナー、普段は女性からのご相談が多く、やっぱり男性は悩みを他人に言いづらいところがあるような気がしています。こうして僕に意見を求めてくれたことが嬉しいです。
人は、ある悪に耐えるために悪に染まることがあります。悪といっても大げさなものでなく、人の扱い方や礼儀も含めて、細かい悪がたくさんあります。それに耐えられなくて、自分も嫌なやつになる、面の皮を厚くするという選択肢を取る人もいると思うんですよね。でもあなたは、悪に染まらずに折り合いを取ろうとしたり、どうすべきかちゃんと考えたりしている。すごく素敵だなと思います。
あなたにぜひおすすめしたい本があります。僕がこの3年間ぐらいに読んだ本でいちばん素敵だなと思っている本で、『佐久間宣行のずるい仕事術』というタイトルです。ご相談にお答えするために改めて読み直しました。
佐久間さんはテレビプロデューサーの方なので、クリエイター論みたいな話かと思われるかもしれませんが、そうではなく、悪の組織の中でいかに才能を潰さないかという話だと僕は解釈しました。
佐久間さんを始め、今の世の中を代表するクリエイターの人たちは、悪に染まらない側の人が多いように感じます。