今年9月、国連総会で演説するBTS。リーダーのRMが「世の中は少しずつ前に進んでいる」と呼びかけた
今年9月、国連総会で演説するBTS。リーダーのRMが「世の中は少しずつ前に進んでいる」と呼びかけた

 世界で活躍するK-POPスター・BTS(防弾少年団)の兵役をめぐって、韓国で議論が紛糾している。彼らを兵役免除対象とする法改正案「BTS兵役特例」の可否について、世論は二分している状態だ。これまでも、芸能人の兵役をめぐって様々な問題が取りざたされてきた韓国。その一方で、兵役を経て改めて人気を獲得した芸能人もいる。AERA 2021年12月13日号で取り上げた。

【図】韓国の兵役と芸能人をめぐる動きはこちら

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 芸能人の兵役は韓国では非常に敏感な問題だ。「兵役逃れ」で国民の反感を買った例として代表的なのは、歌手のユ・スンジュンだ。1990年代にはトップスターとして活躍していたが、02年に米国へ渡り、韓国籍を放棄して米国の市民権を取得した。兵役逃れの疑惑が持ち上がり、韓国政府は韓国への入国を禁じた。その後、韓国入国のためのビザを申請しても拒否され、裁判に発展している。20年近くたっても入国できないのには驚くが、それだけ兵役逃れに対する視線は厳しい。

■ヒョンビンは魅力UP

 04年には日本でも人気の俳優ソン・スンホンやチャン・ヒョクらの兵役逃れが発覚した。薬物を使って腎臓疾患を装い、兵役検査で不合格になるよう工作していたという。ブローカーの逮捕から発覚し、プロ野球選手や芸能人が相次いで摘発された。ソン・スンホンとチャン・ヒョクは共に軍へ入隊し、除隊後も俳優として活躍している。

 13年には歌手で俳優のRain(ピ)が、軍の規律に反する服装で女優のキム・テヒとデートをしていたことが発覚し、謹慎処分を受けたことも話題になった。Rainは「芸能兵士」と呼ばれる、国防広報の役割を担う兵士だった。Rainの規律違反をきっかけに「芸能兵士は一般兵に比べて外出が多すぎる」など、芸能兵士制度について批判が広まり、廃止となった。

 とは言え、人気の芸能人を軍の広報に役立てたいのは変わらない。15年に入隊した東方神起のユンホは陸軍の軍楽隊に配属された。軍楽隊は音楽を通して軍の活動を広報する部隊だ。

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