梅澤:確かに、私も日々怖いです。自分の夢とか、「こういうことをやってみたい」と口に出すのも怖い。自分がそれを言える立場なのかな? とか、これを言えるほどそれまでの過程をちゃんとできているかな? とか、いろいろ考えちゃうんですよね。ものづくりをしている人ってみんな一緒なんだな、通じるところが多いんだなって、この作品を通じて思いました。

 作中の印象的なシーンを尋ねられると、梅澤は、映像研とロボ研のメンバーたちが「不可能だけど諦めきれないこと」を泣きながら告白する場面を挙げた。

梅澤:私、あのシーンが大好きで。「寝る前に毎日波動拳を出す練習をしている」とかかわいすぎます(笑)。

山下:私はやりたいことが見つかると、メモ帳に書くことにしていて。でも、何を書いたか全然思い出せないな……あっ、パンダを飼いたい! 絶対無理ですけど、いつも思っていますね。

齋藤:パンダ……?(笑)

梅澤:いいね(笑)。20歳超えてからは、理想はあるけれど、子どもの頃に思ってた、雲の上に乗りたいとか、大きすぎる夢とか、もう考えなくなっちゃった。想像力って貴重なものだったんだなあと、今になって改めて思います。

■甘えんぼうは誰?

 映像研の3人の関係性について、原作漫画には水崎(山下)が姉、浅草(齋藤)が妹、そして金森(梅澤)がお母さんと書かれている。実際は?

齋藤:最近、現実もそうなりつつあるんです(笑)。やたら私を赤ちゃん扱いしてくるんです、この二人が。

梅澤:いやいや(笑)。でも絶対、甘えんぼう気質ですよ、飛鳥さんは。

齋藤:自分もじゃん!

梅澤:まあ、私もなんですけど、飛鳥さんはさりげなく目で「やって」と訴えてくる時がある。そんな顔をされたらやるじゃないですか、こっちは。そして、ヤマ(山下)はイジられキャラですね。

齋藤:うんうん。

山下:自分ではそんなふうに思ったことないんですけど……。

梅澤:えーっ!? 日々、飛鳥さんからイジられてるのに?

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