新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、大地震などの災害が重なったら……。AERA2020年4月27日号は、そんな「もしも」のために家庭でできる備えを紹介する。
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防災・危機管理アドバイザーで「防災システム研究所」(東京)の山村武彦所長は、災害時は避難所に頼らない「在宅避難」を勧める。
「避難所は家を失った人や二次災害の恐れがある人が暮らす場所。家での生活が可能なら、自宅にとどまる在宅避難を第一にすべきです。そうすることで、感染症や災害関連死のリスクも減らすことができます」
そのために必要なのが備蓄だ。しかし、ただむやみに備えればいいというものではない。
総合防災コンサルタント事業を行う「防災クリエイティブマネージメント」(大阪府大阪狭山市)の防災アドバイザー・岡本裕紀子さんが、提唱するのは「家庭でできる防災自己診断15」だ。
岡本さんは、災害への備えは(1)命を守るために必要(2)被災直後から必要──まずこの二つの視点から考えてほしいと話す。
「例えば、水はどのような状況でも生きるために必須。1人1日3リットルの水を最低でも3日分備えてほしい。ただ、災害が広範囲に及べば救援の遅れもあり得るので、1週間分備蓄するのが望ましい」
次に大事なのが食べ物だ。岡本さんは「食料は1週間分の備蓄を」という。その際、栄養不足を補う備えもしておきたい。管理栄養士で、一般社団法人「NS Labo(栄養サポート研究所)」代表理事の岡田明子さんは、災害時は偏った栄養状態になりがちだと注意を促す。
「備えておこうと思ったら、米や麺類といった炭水化物を買いそろえる人が多くいます。炭水化物はエネルギーの源になる栄養素で必要ですが、取り過ぎが続くと肥満の原因になります。また、糖質をエネルギーに変える際にはビタミンB1が必要なので、お菓子など甘いものを取り過ぎるとビタミンB1不足になり、疲れやダルさなど、疲労感につながります」