失踪者も旅行者もウェルカム! 特定技能のなりふり構わぬ条件緩和がもたらすものは? (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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失踪者も旅行者もウェルカム! 特定技能のなりふり構わぬ条件緩和がもたらすものは?

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澤田晃宏AERA
ハノイの送り出し機関で面接の練習をする技能実習生。特定技能の受け入れが停滞する一方、今年度の技能実習生は約38万5千人と前年比約25%増えている(撮影/ジャーナリスト・澤田晃宏)

ハノイの送り出し機関で面接の練習をする技能実習生。特定技能の受け入れが停滞する一方、今年度の技能実習生は約38万5千人と前年比約25%増えている(撮影/ジャーナリスト・澤田晃宏)

 安倍政権が外国人労働者の受け入れ拡大へ新設した在留資格「特定技能」。だが受け入れは初年度想定の3%足らず。なりふり構わぬ条件緩和が始まった。AERA 2020年2月17日号の記事を紹介する。

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「深刻化する人手不足に対応するため」(政府閣議決定)として2019年4月に新しく創設された在留資格「特定技能」。政府は5年で最大34万5150人、初年度に最大4万7550人の受け入れを見込むが、19年11月末時点で1019人と想定に遠く及ばない。

 特定技能の在留資格を取得するには、日本語と技能の二つの試験に合格する必要がある。技能実習生として日本で働いていた人は試験が免除されるため、特定技能への移行がスムーズに進むと考えられていたが、なぜそうならないのか。情報サイト「特定技能の窓口」を運営するパラダイム・ラボの大木敏晴さんは「一部の監理団体が特定技能への移行を妨害している」と指摘する。

 監理団体とは、企業での技能実習が予定通り行われているかを監督する法務省の認可団体だ。企業は監理団体を通じてしか、技能実習生を受け入れることはできない。実習生本人や実習を実施している企業が5年働ける特定技能への移行を希望しても、あくまで技能実習生の枠にとどめようとする監理団体があると大木さんは話す。

「特定技能外国人を受け入れるには、支援機関への登録が必要ですが、過去1年間に失踪者を出した監理団体は登録ができません。支援機関になれない悪質な監理団体が、技能実習を延長して企業から払われる監理費を確保しようとしているのです」

 試験が免除される元技能実習生以上に深刻なのが「試験組」だ。特に海外で技能試験の態勢が整わず、特定技能での受け入れが始まった14業種のうち未実施の業種が大半。なかでも技能実習生最大の人材供給国で、特定技能でも期待の大きかったベトナムで試験が始まらない。その舞台裏を、ベトナムの送り出し機関幹部はこう説明する。


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