「彼も人の子 心がほどけるかもしれない」 植松被告にやまゆり園の遺族の思いは届くのか (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「彼も人の子 心がほどけるかもしれない」 植松被告にやまゆり園の遺族の思いは届くのか

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野村昌二AERA#AERAオンライン限定
大月和真さんと長男の寛也さん=2018年6月撮影/写真部・小山幸佑)

大月和真さんと長男の寛也さん=2018年6月撮影/写真部・小山幸佑)

 朝から冷たい雨が降る1月8日、知的障害者入所施設「津久井やまゆり園」で45人を殺傷し、殺人罪などに問われた元職員植松聖(さとし)被告(29)の裁判員裁判の初公判が横浜地裁で始まった。

【表】平成に起きた重大殺人事件はこちら

 仕事を休んで傍聴券を求める列に並んだ女性(45)は言う。

「どうしてあのような事件を起こしたのか。どのような言葉を語り、どのような表情をしているのか直接見たいです」

 娘(24)に知的障害があるという母親(60)はこう言った。

「なぜ障害者という理由で殺されなければいけなかったのか。それを知りたい」

 裁判は、26席の一般傍聴券を求めて2千人近くが並んだ。先の2人とも抽選に外れたが、裁判は、さまざまな人がさまざまな思いを抱いて見守った。

「話を聞く耳を持っていない人に何を期待しても意味がない。心を閉ざしていますから」

 植松被告への思いをこう語るのは、津久井やまゆり園の家族会の会長、大月和真(かずま)さん(70)だ。

 事件当時、やまゆり園には長男の寛也(ひろや)さん(38)が入所していた。寛也さんは犯人にも合わず、けがもなかった。だが、事件直後、一時帰宅から施設に戻った際は、なかなか居住棟に入ろうとせず、ホーム(生活エリア)に着くまで母親の腕をつかんでいたという。いつもと違う異様な雰囲気を感じとったようだった。

 寛也さんは今、仮移転した「芹が谷園舎」(横浜市港南区)に移り、事件前と変わらずマイペースで生活できているという。

 事件からこれまでの約3年半、大月さんは家族会の会長として、利用者たちが新しい場所で一刻も早く落ち着けるよう、神奈川県や知事に訴えてきた。


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