しいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUEしいたけ./占師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

【絵でわかる】しいたけ.流“タイプ別トラブル回避法”

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Q:2019年は、厄年でもないのに大好きな彼と別れてしまったり、気分が落ち込むことがありました。職場でも「最近、元気ない?」と言われるほどです。早く19年が終わってほしい。元号も変わりましたが、関係あるのでしょうか?今までにないくらいつらいけど、喪中なので神社にも行けません。この状況をどう抜け出せますか。(女性/工場勤務/29歳/ふたご座)

A:全体的な話をすると、2019年は「どうして私が」と思うような体験をした人が多かったと思います。悪者にされているような気持ちになったり、何らかの傷を負ったり、という人が。

 それは元号が変わったことも関係していて、「仕切り直し」「ルールの見直し」がさまざまなところで起こったからです。

 もちろんすごくつらいと思います。20年に入ってもすぐには吹っ切れないかもしれない。でも僕、思うんですが、自分にとってきつい体験や不幸な話って、ネガティブな面だけではない気がするんですね。

 無理やりいい話に結びつけるつもりはありませんが、そういうときに自分の中で何が起こるかというと、「層」ができます。性格にグラデーションのようなものができる。それまで元気キャラでやってきた人に、元気以外の表情が加わって、それが思いやりや優しさといった魅力になっていく。

 つらいことがあったときは、あまり感傷に浸りきるんじゃなくて、淡々と傷つくのがいいです。ちょうど年も変わるときなのでオススメしたいんですが、3年手帳とか、複数年にわたる手帳を取り入れてみるのもすごくいいと思います。

 19年にろくなことがなかったとしても、3年手帳だと来年、再来年に対して具体的に希望が持てます。来年になったときには、「去年はこういうことで落ち込んでいたな」ってわかる。客観的に見て、きつかったことをちゃんとポジティブに変換できるんです。自分の中の「層」をビジュアル化できるっていうのかな。それがすごくいい。回復につながっていくと思います。

 
 それと、神社の話が出たので、「祈り」についてもお伝えしておきたいと思います。「祈り」というと、「いい年になりますように」ってポジティブにならなきゃいけないものと勘違いしている人が多いのではないでしょうか。

 神社に行かなくても、ただ手を合わせ自分に対して「ご苦労様」と労うことも祈りであるし、そこが僕は大事な気がしています。

 つらいとき、「頑張ります」って言えない自分がいてもいいんです。お疲れ様でした、ここまでよくやってきました、って言うだけでいい。

 特にこういうきついときは、神社で何かを新たに祈願するより、喪中でも行けるお寺でお線香の匂いをかぐくらいがいいかもしれません。その匂いが心を落ち着かせてくれますよ。

AERA 2019年12月30日号-2020年1月6日合併号

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しいたけ.

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しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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