ただ、森友学園や加計学園を巡る問題では、数多くの疑惑を残したまま、野党は政権を退陣に追い込めなかった。今度も同様に、「逃げ切り」を許してしまうのではないか。

「あまりにひどい国会答弁に、あまりにひどい資料隠し。このままでは民主主義が崩壊していく危機感があります。終わりにしてはダメ。実態を詰め切りたい。桜を見る会の真相究明のために立ち上げていた野党の『追及チーム』を11月下旬に『追及本部』に格上げし、人数を70人超にして態勢を強化しています。私は、事務局長代行です」

 国会は9日に会期末を迎え、疑惑追及の舞台は年明けの通常国会へと移る。

「今国会は終わりますが、年明けには安倍総理が出席する予算委員会がある。そこで一問一答を重ねたら、逃げ切れないと思います。もし質問に答えられなかったら、それはもう『辞めろ』という話になるでしょう。説明するといいながら、説明できないわけですから」

 ところで、田村氏自身は、桜を見る会に出席したことはあるのか。

「国会議員には毎年、招待状が来ます。だけど会が開催される4月は法案審議でむちゃくちゃ忙しいし、まして安倍総理の招待で桜を見に行きたいかと言われれば、行く気になれませんね(笑)」

(編集部・野村昌二)

AERA 2019年12月16日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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