たばこ押しつけ「マジ殺すぞ」 話題の“虐待VR動画”、制作者の願いとは? (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

たばこ押しつけ「マジ殺すぞ」 話題の“虐待VR動画”、制作者の願いとは?

野村昌二AERA
【VR動画】ベランダ/ベランダで父親が子どもの手にたばこを押し付ける

【VR動画】ベランダ/ベランダで父親が子どもの手にたばこを押し付ける

【VR動画】室内/両親が子どもに洗剤を飲ませようとする

【VR動画】室内/両親が子どもに洗剤を飲ませようとする

VRゴーグルを手にする西江祐哉さん。VRゴーグルを装着すると、母親の怒りや両親の虐待の様子が、よりリアルに疑似体験できる(写真:西江祐哉さん提供)

VRゴーグルを手にする西江祐哉さん。VRゴーグルを装着すると、母親の怒りや両親の虐待の様子が、よりリアルに疑似体験できる(写真:西江祐哉さん提供)

 西江さんは、このVR動画を虐待する当事者ではなく、隣近所など周囲にいる人たちに見てほしいと話す。

「身近にある虐待に気づき、通報する勇気を与え、早期発見につなげたい」

 視聴回数は動画のアップから1週間で18万回を超え、約2カ月で百万回近くになった。

<俺らはホームボタン押せば逃げれるけど、この子は逃げれなかったんだよな…><クラスメイトで虐待されてる子、いつかは助けられたらいいな>

 コメント欄にはこんな言葉が4千件以上並ぶ。だが、「これだけではまだ何も解決されていない」と西江さん。

 全国の児童相談所が対応した虐待件数は増え続け、昨年度、過去最多の約16万件を数えた。虐待による死亡事例は年間約50件を数え、東京都目黒区で当時5歳の船戸結愛(ゆあ)ちゃんが両親からの虐待で昨年3月に亡くなった事件も記憶に新しい。西江さんは言う。

「早期発見という観点だけでなく、児相への受け入れや警察との連携、財源などが足りていない、といった厳しい現状にも意識を向けながらコンテンツを充実させる必要がある。虐待によって亡くなる子どもが一人でも減る。そのきっかけが、僕たちがつくったVR動画であればうれしい」

(編集部・野村昌二)

AERA 2019年12月2日号


トップにもどる AERA記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい