阪神ファンの「慎之助コール」は鳥谷へのメッセージ? 道上アナが深読み分析 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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阪神ファンの「慎之助コール」は鳥谷へのメッセージ? 道上アナが深読み分析

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小長光哲郎AERA
阿部慎之助選手(c)朝日新聞社

阿部慎之助選手(c)朝日新聞社

 今シーズン限りでユニホームを脱ぐ巨人の阿部慎之助選手に9月24日、甲子園の阪神ファンが送った「慎之助コール」が、波紋を広げている。「阪神ファンも変わってしまった」という嘆きがある一方、実はコールの裏側に、今シーズンで阪神を去る鳥谷敬選手へのメッセージが込められていたとの分析もある。

 東京都内の会社員の男性(52)は、大阪生まれ。幼稚園の年少組の頃に家族で移り住んだ高知県安芸で、同地でキャンプを張るタイガースに出会い、大ファンになった。江夏豊と田渕幸一がバッテリーを組んでいた黄金期だ。いまは甲子園にはなかなか行けないものの、関東圏で行われる阪神の試合には頻繁に足を運ぶ。

 男性が驚く「事件」が起きたのは9月24日、甲子園で行われた阪神・巨人戦。今シーズン限りでの引退が報道されていた阿部慎之助選手に、ライトスタンドのタイガースファンが「慎之助コール」を送ったのだ。ネットニュースでその記事を読んだときは、目を疑ったという。

 阪神が勝ったときには翌日のスポーツ紙はぜんぶ買い、負けたときはスポーツ面が最も小さい日経新聞を読む。これが昔からの阪神ファンの鉄則だった、と男性は笑う。つまり負けた事実は無視して、勝ったときだけ喜ぶ。かつ、こと巨人に関してはその敵対心は特別なものだったはずだという。

「阪神が5位でも巨人が6位であればいい、これが阪神ファンです(笑)。阪神が2位でも巨人が1位ならやっぱり許せない。とにかく巨人に勝つ、巨人が下であればいい、というね。だから巨人の4番を張る選手に対するエールにはさすがに、『え!』と思いました。いまはそういうふうに変わっちゃったのかなあと」

 どうしたタイガースファン。すっかり牙を抜かれたか? いやいや、別の見方もある。

 9月28日、阪神対横浜DeNAベイスターズの公式戦最終戦が行われた横浜スタジアムに来ていた49歳男性と50代女性のカップルは、35年来のタイガースファン。「慎之助にエールなんて」という意見を伝えると、男性が首をかしげつつ、こう話し始めた。

「それが意外というのは、わからなくもないです。『てーてててーててー♪慎之助!』という東京ドームでの巨人ファンの声援に合わせて、レフト外野席の阪神ファンは『てーてててーててー♪チンコくせえ!』と(笑)。シーズン中、そう言っていたのは確かです。ただ、引退をするとなって、藤川球児と阿部慎之助が最後の直球真っ向勝負をすると。僕はテレビで見てたんですけど、それだけでもう泣けてきて……今も思い出すとヤバい……」

 な、泣くんすかそこで……!

 女性が話を引き取り、こう言う。

「あれは、球児と慎之助の正々堂々の勝負に、阪神ファンが応えたんだと思います。慎之助にどうこうよりも、球児に対する敬意を表して、『ここは茶化さないよ』って。別に阪神ファンが丸くなったとかじゃなくて、きょうは球児のためにふざけないと。阪神ファンは怖いなんて言われるけど、義理人情の深さはほんとに一番だと思います」

 いやいや、そこにはもっともっと深い意味合いがある。そう読み解くのは、朝日放送テレビのアナウンサーで、小学生の頃からのタイガースファン、道上洋三さん(76)だ。


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