このケースでは、9月中に契約すれば16万3287円、10月以降でも16万7299円と、いずれも16万円台に収まる。KDDIやドコモより約8万円、ソフトバンクと比べても約4万円も安い。

 格安SIMは店舗数が比較的少なかったり、これまでのメールアドレスが使えなくなったりといったデメリットもあるが、これは真剣に乗り換えを考えたくなる価格差だろう。

 ちなみに、9月中と10月以降で負担額が変わるのは、端末の消費税分に加え、料金プランが変わるため。ドコモと同様、契約すると決めているなら、9月中がおすすめだ。ソフトバンクやKDDIで契約するつもりの人は、あわてて9月中に手に入れても、金銭的なメリットは無いということになる。

 お得な買い方が分かったところで、今年発売の3機種について見てみたい。新型は3機種ともプロセッサー(処理装置)に最新の「A13バイオニック」を搭載して処理速度を向上させた。さらに、処理の効率化によりバッテリーの駆動時間が前機種より1~5時間長くなった。

 最大の特徴は上位2機種に搭載された3眼カメラだ。1200万画素で超広角と広角、望遠の3タイプの性能を持っており、2倍の光学ズームにも対応している。さらに、11も含めた3機種ともに暗い場所や夜景の撮影に適した「ナイトモード」を搭載した。また動画撮影の機能も強化。ハイダイナミックレンジ(HDR)動画撮影でより鮮明で美しい映像を撮影できる。

 税別の端末価格は、直販店のアップルストアやアップルのオンラインショップで購入した場合、11は7万4800円(64GB)~9万800円(256GB)。11Proは10万6800円(64GB)~14万4800円(512GB)。Pro Maxは11万9800円(64GB)~15万7800円(512GB)。

 前機種と比較すると、価格は据え置きか、最大で1万円程度値下がりしている。11とXRを比較すると64GBモデルの場合、11は前機種の「XR」よりも1万円ほど安くなっている。

 アップルは近年、端末価格の高止まりを日本政府から指摘されており、10月からの法改正で携帯大手の端末価格の値引きが2万円までに規制されることに対しても、自社に対する規制だと不満を表明している。今回の3機種の“値下げ”は政府に不満を示す一方で、政府の要望に対応していることを示す意味合いもありそうだ。

 携帯各社は10月からの法令改正で、端末代金の値引きが最大2万円まで、携帯会社を乗り換える際に必要な違約金が1千円までに規制される。これを見越して各社はすでに新たな端末割引施策や料金プランを発表している。利用者にとっては負担が増える面もある。

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各社が打ち出した新プランの中身は