【ちゃんと休むには?】

 休み方という点で、まず今年全員に共通してオススメしたいのが、遊園地とか外国とか舞台など“ファンタジー”がある場所に行くことです。現実があまりに混沌としているので、逃げる時間も作ったほうがいいです。ファンタジーってそのとき役立ちます。

 リーダータイプは、今年、ちょっと休んだほうがいい期間。あなた自身がすごくちゃんと一人で背負って頑張ってきたから。

 このタイプの休息には、ちょっと薄暗いところがいいです。お店の個室とか、そういう場所で腹を割って人と話す。リーダータイプって、SNSで見栄えのいい報告ができるところに惹かれるし、周りに人がいると見えを張って言葉に勢いがついちゃうところがあるから、仲がいい3人だけで話すとかがいい気がします。そこにいない誰かの悪口を言いすぎないこと。話す相手は、すごく年上か、すごく年下の人もいいですね。同世代だとどうしてもライバル視してしまうので、休まりません。

 組織人タイプにオススメは外国です。外国では相手の顔色をそこまで読む必要がなくなる。これは、組織人にとっての安息です。文化が違うからしょうがないやって、すごくいいことでもある。日本で例えばお店でレジの人がぼーっと突っ立ってたらすごい怒りがわくと思うけど、外国だったら自然に「これお願いできますか?」って言える。わかり合える環境だと、無意識に「自分の思うように動いてほしい」って思ってしまうんですね、お互いに。組織人はそこに疲れてしまうんです。近場でいいから外国に行くと、解放されます。

 あとイエス・ノーをはっきり言う練習もしたほうがいいので、その意味でも外国的な感覚を大事にしてほしいです。外国は遠いし、お金もかかるので行けない場合は、外国の人が経営する飲食店でもOKです。

 ムードメーカータイプも組織人と根底は似ていて、人のことを気にする人だし、勘がいいから、気にする材料が多すぎてパンクしがちです。休みの日は、山登りとかハイキングみたいな、達成感を味わえるものがオススメ。この遊園地のアトラクションを全部制覇するとか、達成目標を持つのもいいですね。強くなれます。ボルダリングとか、「難しい」と思うものでも、今のあなたはコツコツと「自分と向き合う」という時間がオススメです。淡々と向き合う姿はとてもカッコイイし、魅力的だから。

 作家タイプは、お祭りとか縁日に参加するのがよさそう。このタイプって、閉鎖的なところがあるんだけど、小さい時から自分が楽しみにしている空間とか馴染みがあるところだと心を開くことができる。神楽の音とかリズムって懐かしさを感じますよね。お祭りって“夜明け”のようなものを表していると思います。自分の闇を切り開いて、その華やかさ、派手さの力をもらいに行くというか。ライブとかも一夜限りのお祭りみたいなものですよね。(編集部・高橋有紀)

※AERA 2019年9月2日号より抜粋