

厚い雲に覆われ続けた7月が終わり、いよいよ夏本番。照りつける日差しに一番合うモノといえば……ビール? 確かに。でも高い。安くて、しかもウマい第3のビールはないのか。
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7月の木曜日。締め切りを乗り切り、安堵の表情を浮かべるアエラ編集部のスタッフらを集めて、ある飲料の利き酒会が開かれた。用意されたのは「第3のビール」。新ジャンルとも呼ばれ、ヘタしたら缶ジュースより安い110円台という夢の値段で買えてしまう、ビール系好きの心の友だ。
今回は、国産大手メーカー製21種類の「友」たちを、銘柄がわからないように紙テープでぐるぐる巻きにしてブラインドテイスティングした。
正直なところ、筆者は「そもそも第3のビールは安さが一番のチャームポイントで、味は横並びでしょ」なんてイメージを持っていた。だが実際に試飲してみると、それぞれの味わいに意外なほどキャラが立っていることに驚いた。
試飲した人たちが評価シートに書き込んだ言葉も「薄い」「濃い」や「キレ」「コク」だけじゃない。「グラマーなボディー」「出合い頭の強烈なパンチ」など、ほとんどソムリエ状態の人も。そのうち「濡れた子犬と麦わらのかすかな香りに……」とか言い出しそうな勢いだ。
とにかく、ビール好きのいろんな好みの味に対応しつつ、さらに糖質オフなどで個人の健康事情にも対応するなど、思いのほか多彩な第3のビールワールドが広がっていた。
そうしてアエラ編集部の14人が採点した結果はあとで詳しく紹介するとして。その前に、「第3のビールって何?」からおさらいしよう。
家の近所に、無類のビール好きのおばあちゃんがいる。彼女がビールを最初の一口、プハーッとしたあと必ず言うセリフが「ビールを発明した人は天才!」。たしかに、麦芽とホップと水をたまたま組み合わせて、苦いのにやみつきになるあの神液体を作っちゃった人はすごい。
そして今もビールの主原料は、基本的に麦芽とホップと水。ビールと名乗る以上、「麦芽の比率が50%以上」「主原料以外の副原料の重量の合計は、使用麦芽の重量の5%の範囲内」といった、原料の細かい縛りがある。