セブンペイの不正アクセス問題で記者会見する運営会社の小林強社長(奥中央)ら/7月4日、東京都千代田区(c)朝日新聞社
セブンペイの不正アクセス問題で記者会見する運営会社の小林強社長(奥中央)ら/7月4日、東京都千代田区(c)朝日新聞社
セブン-イレブンアプリの画面。セブンペイについて「カンタン登録 最短2タップでスタート!」と手軽さを前面に押し出している(撮影/写真部・張 溢文)
セブン-イレブンアプリの画面。セブンペイについて「カンタン登録 最短2タップでスタート!」と手軽さを前面に押し出している(撮影/写真部・張 溢文)

 セブン-イレブンの決済サービス「7pay」が相次いで不正利用された。セキュリティーの甘さに加え、謝罪会見での対応も消費者の反発を招いている。

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 セブン-イレブン・ジャパンが鳴り物入りでスタートさせたスマートフォンのバーコード決済「7pay」が、いきなり大混乱を引き起こしている。容易に不正アクセスを招いてしまう重大なセキュリティー上の欠陥が見つかったのだ。

 セブンペイは7月1日にサービスを始めた。不正利用の被害は4日午前6時時点で約900人、計約5500万円に上ったが、それ以上に業績に深刻な影響が出る可能性もありそうなのが、謝罪会見での対応だ。

 セブンペイはセブン&アイ・ホールディングスが電子マネーのnanacoに代わる主力の金融サービスに育てたい意向だったが、会見ではセキュリティー認識の甘さを露呈。ネット上ではセブンペイだけではなく、ネット通販のオムニセブンなど、同社系の他のネットサービス全体を敬遠する声も上がる。

 スマホ決済が出だしでつまずく事態は、ソフトバンクとヤフーの合弁会社が運営するペイペイでも起きている。コンビニ最大手のセブンはペイペイの教訓から学べなかった格好で、先行するIT系スマホ決済事業者からは「スマホ決済全体の信用に関わるので静観したい」とため息が漏れる。

「事前にセキュリティー審査をやっている。脆弱性はなかった」

 セブン&アイが4日に東京商工会議所の記者クラブで開いた緊急の記者会見。セブン&アイの清水健執行役員はこう強弁してみせた。

 会見にはセブンペイの運営会社の小林強社長らも出席し、被害者への謝罪や状況説明を行った。しかしセブンペイの信頼性に関する質問に対しては責任を認めず、サービスへの自信を強調。記者からの「サービス提供を停止しないのか」という質問に対しても、新規の利用登録や電子マネーのチャージを停止する方針は示したが、決済利用は継続することを明言した。

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