地球上に生命が誕生して約40億年。いまは、第6回目の生物の大絶滅期にあたる。これまでは火山活動や隕石の衝突など自然の大きな変化が原因だった。だが現在起きている絶滅の原因は“人間”だ。毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説する、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』6月号は、「絶滅危惧種からのSOS」を特集。そのなかに掲載された記事を紹介する。

MENU ■ケース2:毛皮や牙のために乱獲が進む ■ケース4:止まらない地球温暖化が動物を追い詰める

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 動物たちの多くは、広い地球上のごく限られた地域に、その環境に適応したものだけがすんでいる。そのため、ちょっとした環境の変化や人間の活動が大きな影響をあたえ、動物たちは数を減らしてしまう。

 20世紀以後は、船や飛行機、自動車などで人の行き来する範囲が広がり、それまで人間が足を踏み入れなかった場所が開発されたり、めずらしい動物が狩猟の対象にされたりするようになり、動物たちがピンチに陥っている。つまり、今、起きているといわれる大絶滅の原因は、人間の活動と非常に深い関係があるのだ。動物たちを絶滅に追いやる原因は大きく四つ。それぞれの原因によって絶滅の危機にある主な動物をあげているけれど、動物が減少するときは、いくつもの原因が重なっていることがほとんどだ。

■ケース1:畑や住宅地開拓で生息地が奪われる

 森林や山、川、湖、海など、野生動物がくらす場所のことを「生息地」という。その生息地が人間たちの生活のための活動によってどんどん失われている。たとえば森林や草原を切り開いて畑や住宅地をつくったり、木が木材として使われたりしている。

【オランウータンの嘆き】
 私たちがすむ熱帯雨林が、人間にどんどん切り倒されてしまっているの。理由はアブラヤシという農作物の農園をつくったり、紙の原料になるアカシアという木を植えたりするため。アブラヤシから採れるパーム油って知ってる? ポテトチップスやインスタント麺、洗剤などに使われるそうよ。私たちは一生のほとんどを木の上でくらすのに、その木も、食べ物の果物などもなくなっているの。そのうえ、大切な子どもをペットとして売ろうと、親から引き離す人間もいるのよ!! ひどすぎるわ。

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AERA編集部
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