■ケース2:毛皮や牙のために乱獲が進む

「貴重だから」「きれいだから」「高く売れるから」と肉や毛皮、角や牙を手に入れるために、あるいは楽しみのために野生動物を狩猟の対象にして捕獲しすぎることを「乱獲」という。動物たちが自然のペースで増えるよりも獲物になる数のほうが多くなると、その動物が減る原因となる。

【アフリカゾウの嘆き】
 ボクたちの牙のことを人間は「象牙」とよぶらしい。この牙は、水を飲むために地面を掘ったり、木の皮をはがしたりするのに、大切なもの。それなのに、飾り物やアクセサリーとして高く売れるからって、牙ほしさに、人間はボクたちを殺すんだ!! 「ワシントン条約」っていうのがあるらしいけれど、殺しにやってくる奴は後を絶たないね。それとボクたちは体が大きい分たくさん食べるから、植物を食べつくしてしまわないように、移動しながらくらしている。けれど今、アフリカって人口がすごく増えていて、ボクの生息地も人間が住むために開発されて、行き場がなくなっているんだ。

■ケース3:ごみや化学物質で環境が汚染される

 川や池、海に捨てられたポリ袋などのプラスチック製品、食べ残し、流れ出た油や自動車の排ガス、排水管から流れてくる生活排水や有害な液体……。人間が排出するごみや化学物質は、空気や土、海や川や水を汚し、自然の中にすむ野生動物のくらしも危険にさらしている。

【オサガメの嘆き】
 アタシの大好物はクラゲ。でも最近クラゲと間違えて、人間が捨てるたくさんのポリ袋などを食べてしまうの。人間だって、そんなの食べたら大変なことになるでしょう!  アタシたちも消化できず、ときには死んでしまう仲間もいるの。海のごみ問題は、アタシたちウミガメだけでなく、海のなかでくらす多くの生物にとっても深刻な問題。また漁業の網にからまって、息継ぎができずに死ぬことだってあるのよ。きれいな砂浜にテニスボールぐらいの卵を産むんだけど、最近はごみだらけの砂浜も多いし、せっかく産んだ卵を人間に掘り起こされたり、野生のブタに食べられてしまったりするのも悲しいわ。

NEXT止まらない地球温暖化が動物を追い詰める
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