安倍首相の北朝鮮への「身も蓋もないラブコール」 裏にあるものとは? (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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安倍首相の北朝鮮への「身も蓋もないラブコール」 裏にあるものとは?

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藤田直央AERA#北朝鮮#安倍政権
トランプ米大統領との電話会談を終えた安倍晋三首相の発言は、拉致問題で一定の前進があることを日朝首脳会談の前提としてきたこれまでの姿勢から大きく変わっていた/5月6日午後10時44分、首相公邸 (c)朝日新聞社

トランプ米大統領との電話会談を終えた安倍晋三首相の発言は、拉致問題で一定の前進があることを日朝首脳会談の前提としてきたこれまでの姿勢から大きく変わっていた/5月6日午後10時44分、首相公邸 (c)朝日新聞社

 拉致問題の解決に向け、北朝鮮への圧力強化を重視してきた安倍首相が、「無条件で金正恩氏との会談を」と意思表明した。これまでの強硬姿勢を一変させた背景にあるのは、解決への手応えなのだろうか。

*  *  *
「拉致問題を解決するためにあらゆるチャンスを逃さない。私自身が金正恩委員長と向き合わなければならない。条件をつけずに向き合わなければならないという考えだ」

 6日夜、トランプ米大統領と30回目の電話協議を終えた安倍晋三首相は記者団に明言した。補足説明では、同じ内容をトランプ氏に伝えたことも紹介された。安倍氏は昨夏の国会で「行う以上は拉致問題の解決に資する会談に」と答弁しており、明らかにハードルを下げた。それをなぜいま公言し、トランプ氏に伝えたことまで明かすのか。

 安倍氏の発言は、金正恩・朝鮮労働党委員長に対するメッセージだ。これまではトランプ氏を通じて金氏に拉致問題の解決を訴えてきたが、今回安倍氏はこう伝えたかったのだろう。

<あなたと直接話したい──無条件という譲歩をしてでも>

 突然のラブコールは、これまでの流れを考えれば身も蓋もない振る舞いだ。

 2002年、小泉純一郎首相と金正日総書記による初の日朝首脳会談では、1年前から極秘協議を積み重ねた上に国交正常化に向けた平壌宣言という合意文書をまとめることができた。一方、拉致問題の解決に向け、「圧力」で北朝鮮を対話に向かわせるとして正常化交渉再開へのハードルを上げてきたのは他ならぬ安倍氏だ。

 ただ、安倍氏は以前から、公の発言に金氏へのメッセージを含ませてきた。その意味では、安倍首相の表の言葉を追うことで、思惑は見えてくる。

 金氏について、安倍氏は2度目の首相となる少し前の12年秋、朝日新聞のインタビューで「拉致に関与してないから解決のハードルはお父さん(正日氏)より低い」と語った。昨年の米朝首脳会談直後には、国会で「指導力がある。日朝でも新たなスタートを」と述べた。


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