政治主導の新元号発表に潜む「排外主義化」の危うさ (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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政治主導の新元号発表に潜む「排外主義化」の危うさ

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中原一歩AERA
安倍首相は、第1次政権のころから、元号の典拠は国書のほうがいいと周囲に語っていたという。その意味では悲願を達成したことになる(4月1日、首相官邸で) (c)朝日新聞社

安倍首相は、第1次政権のころから、元号の典拠は国書のほうがいいと周囲に語っていたという。その意味では悲願を達成したことになる(4月1日、首相官邸で) (c)朝日新聞社

発表された新元号「令和」を伝える号外を求める人たち(4月1日、新宿区で)。サラリーマンやOLでにぎわう新橋では争奪戦も繰り広げられた (c)朝日新聞社

発表された新元号「令和」を伝える号外を求める人たち(4月1日、新宿区で)。サラリーマンやOLでにぎわう新橋では争奪戦も繰り広げられた (c)朝日新聞社

 4月1日、新元号「令和」の発表と、その後の首相の会見は、全国で大々的に放送された。 「政治ショー」の指摘が相次ぐなか、浮かび上がってくるのは政治主導に潜む危うさだ。

【写真】発表された新元号「令和」を伝える号外を求める人たち

*  *  *
 新元号発表に冷や水を浴びせる格好となったのが外務省だ。発表直後、外務省幹部が、省内の公式文書で元号表記を取りやめ、原則として西暦に統一する方向で検討に入ったと発表した。すぐさま火消しに走ったのは官邸だった。安倍首相に近い萩生田(はぎうだ)光一・自民党幹事長代行は「国内の行政文書は元号も大切にする役所であってほしい」と苦言を呈した。翌日、定例の会見で河野太郎外務大臣は「特に大きくルールを変更するわけではない」と釈明に追われた。

 外務省はアエラの取材に対し、外国との交渉の際は西暦を使用することは認めた上で、内部文書に関しては、他の省庁と同じく和暦を使用すると回答した。外交官として領事館勤務経験のある外務省関係者は、省内の内情をこう打ち明ける。

「海外に長く住む在留邦人からは、和暦だとわからないので西暦に統一してほしいという要望はよくあります。確かに西暦から和暦への換算は面倒で、外交官の七つ道具のひとつに、明治時代からの西暦・和暦・年齢を示した一覧表があるくらいですから。省内の上層部が、改元を機にその面倒な手続きをなくし、業務の効率化を図ろうとした気持ちはよくわかります」

 元号を使用する機会は一般社会でも激減している。住民票の取得の際など、元号を記入する欄があり、「今年は平成何年だっけ」と考えてしまう人は多いだろう。

 問題は、元号を使う機会がないという現実を「元号の排除」「元号の否定」と解釈する極端な民族主義の言論がネットを中心に根強くあることだ。時の政権が主導して元号を発表し、結果、ナショナリズムが排外主義へと向かう危うさがここにある。

 4月1日は改正入管法が施行され、外国人労働の受け入れを拡大する新制度がスタートした日でもある。政府は一貫して否定するが、事実上の移民解禁だ。


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