「考えるほど平和じゃない」石田衣良、小説で伝えたい戦争のリアル (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「考えるほど平和じゃない」石田衣良、小説で伝えたい戦争のリアル

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濱野奈美子AERA#読書
石田衣良(いしだ・いら)/1960年、東京都生まれ。97年『池袋ウエストゲートパーク』でオール讀物推理小説新人賞受賞。以降、多くの話題作を執筆。直木賞ほか文学賞受賞も多数(撮影/写真部・加藤夏子)

石田衣良(いしだ・いら)/1960年、東京都生まれ。97年『池袋ウエストゲートパーク』でオール讀物推理小説新人賞受賞。以降、多くの話題作を執筆。直木賞ほか文学賞受賞も多数(撮影/写真部・加藤夏子)

 世界には、今この瞬間も戦火に焼かれる場所がある。

「残念ながら人類が戦争を回避できるほど賢くなったとは到底思えないんです。世界のありようは考えるほど安定していないし、平和でもないんじゃないかって、考える時期に来ているような気がするんですよね。歴史は必ず繰り返す時が来ますから、過去を振り返る、ということをみんなにやってほしいかな、若い人以外にも」

(ライター・濱野奈美子)

■書店員さんオススメの一冊

 吉田修一が青春小説『横道世之介』を著してから10年。ついに待望の続編『続 横道世之介』が刊行された。リブロの野上由人さんは、同著の魅力を次のように寄せる。

*  *  *
 吉田修一は、意外にもまだ本屋大賞を受賞していないが、過去に『悪人』『横道世之介』『怒り』で候補になっている。そのうち『横道世之介』の3位が現時点での最高位だ。

 単行本の刊行順でいえば、『悪人』から『静かな爆弾』『さよなら渓谷』『元職員』とハードな作品が続いたあと、突如反転したかのように軽妙な青春小説として現れたのが『横道世之介』だ。とはいえ決して存在の軽い作品ではない。柴田錬三郎賞を受賞。作家の技術力を印象づけた作品だった。

 バブル経済期の大学生だった横道世之介は、この続編で24歳になっている。バブルは弾け、就職し損ねた青年だ。物語はオリンピックに沸く2020年の東京と行き来しながら進む。軽妙なやりとりの中に「倫理」を示し、人物を描いて時代を読ませる。技あり、大人の青春小説である。

AERA 2019年4月8日号


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