昭和大「OBの子ども優遇」で見えた私大医学部の内部事情 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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昭和大「OBの子ども優遇」で見えた私大医学部の内部事情

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中原一歩AERA

文科省の調査を受け、不正入試が行われていた事実を認め謝罪する昭和大学の小出良平学長(手前)。不正を自ら認め会見したのは同学1校のみだ (c)朝日新聞社

文科省の調査を受け、不正入試が行われていた事実を認め謝罪する昭和大学の小出良平学長(手前)。不正を自ら認め会見したのは同学1校のみだ (c)朝日新聞社

 昭和大で発覚したのが「大学OBの子どもの優遇」だ。同大学医学部の一般入試では、学力試験合格者に対して行われる高等学校調査書の評価において現役生に10点、1浪生に5点、意図的に加点されていた。また一般選抜2期入学試験においても募集定員20人とは別に大学OBの子ども4人を優先的に合格させていた。大学は謝罪会見で、辞退者を見込んだ措置だったと説明している。

 昭和大はホームページ上で「医学部入学試験における文部科学省の指摘事項について」という一文を公表しているが、その書面には「不正」という文字はない。書面では「本学同窓子女」と表現される「大学OB」の優遇について、都内の私立大学に勤務し、研修医の指導に関わる男性(45)は本音をこう漏らす。

「私立大学医学部の評価は、国家試験合格率が全てです。受験者、その保護者にとってはそれがブランドになりますし、国から交付される私学助成金の額面も変わります。だからこそ、親の職業や社会的地位、経済力まで判定の材料になるのは当たり前で、身元がはっきりしている大学OBを優遇しようという力学が働くのです」

 また男性は臨床研修制度の改正が私立大学の経営に影響を与えていると話す。医学部を卒業した学生は、臨床の現場で2年間、研修医として働く義務がある。その場合、卒業した大学の医局に所属するのが一般的だったが、04年に導入されたマッチング制度により、とくに地方の医科大では、大学病院以外の研修先を選択する者が増えた。大学病院の経営は研修医制度に支えられている側面がある。つまり、大学OBの息子を優遇することが研修医の確保につながるというのだ。

 昭和大では来年度から調査書評価項目から現役受験生、1浪生への加点に関する項目を削除、選抜2期入学試験でも募集定員のみを合格者とすると発表。再調査、および第三者委員会を設置すると述べたものの、具体的にいつまでに設置するかなど今後の対応は曖昧なままだ。


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