幸福度を測る16の質問(AERA 2018年9月17日号より)
幸福度を測る16の質問(AERA 2018年9月17日号より)

「幸せ」、というと漠然とした印象があるが、実は幸福度は測ることができる。これによって個々の状況が分かるのはもちろん、チームとしての強みや弱みも見えてくるという。

 幸福度診断テスト(図)であなた自身と職場の幸福度を測ってみよう。

 作成したのは前野隆司・慶應義塾大学大学院教授。幸福が測れるというのは意外だが、前野教授によれば、幸せには、その時限りの刹那的なものと、長い期間続くものがある。前者はおいしいものを食べたり、他者に優越感を持ったりした時などに感じるもので、人によって感じ方に差がある。後者は「自分が人生で達成してきたことには意味があった」としみじみ感じるような幸せであり、個体差はなく、測定が可能。因子分析という手法で解析した結果、長期的な幸福度が高いのは以下の四つの因子がバランスよく満たされている場合だという。

(1)「やってみよう!」因子は、仕事、学業、趣味において、目標を持ち、成長や自己実現の実感を得られているかどうか。

(2)「ありがとう!」因子は、感謝したり、感謝されたりという他者とのつながりに関係する。

(3)「なんとかなる!」因子は、自己肯定感があるかどうか。困難にぶつかっても「なんとかなる」と楽観的でいられることは幸せの重要な要素だ。

(4)「あなたらしく!」因子は、人目を気にすることなく、ありのままの自分でいられるか。

 チャートにはオンラインカウンセリングのcotree(コトリー)の調査に参加した1万5千人の平均値も書き入れた。他者とつながる「ありがとう!」が強く、自己肯定感の「なんとかなる!」が弱いのはどこか日本人らしい。部署ごとに平均をとればチームの強み弱みもわかる。

 個人の幸福度と同様に、職場の幸福度も4因子のバランスが重要だという。やりがいがあって「やってみよう!」は強くても、メンバーの関係性が薄く「ありがとう!」が弱ければ、精神的に追い詰められる危険性が高い。逆に「ありがとう!」が強く連帯感があっても、「やってみよう!」が弱ければ、活気のない職場となる。あなたのチームはどうだろうか。(編集部・石臥薫子)

※AERA 2018年9月17日号より抜粋