孤独社会をどう生きる? 「SOS」を出す側・拾う側の心構え (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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孤独社会をどう生きる? 「SOS」を出す側・拾う側の心構え

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51歳の時に若年性アルツハイマー病と診断された佐藤雅彦さん(64)。知恵と工夫で一人暮らしを続けてきた。スマホとiPadを使いこなし、日々フェイスブックで発信。62歳からはピアノにも挑戦(撮影/門間新弥)

51歳の時に若年性アルツハイマー病と診断された佐藤雅彦さん(64)。知恵と工夫で一人暮らしを続けてきた。スマホとiPadを使いこなし、日々フェイスブックで発信。62歳からはピアノにも挑戦(撮影/門間新弥)

岡山大学文学部准教授 松村圭一郎さん(42)/1975年、熊本県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。専門は文化人類学。富の所有と分配、貧困や開発援助などについて研究(撮影/古川雅子)

岡山大学文学部准教授 松村圭一郎さん(42)/1975年、熊本県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。専門は文化人類学。富の所有と分配、貧困や開発援助などについて研究(撮影/古川雅子)

松村:孤独の問題は、「わたし/あなた」の共感をベースに一歩踏み出す行動で解消していくもの。行政任せでは難しいでしょうね。

──そうですね。「困った」と発信することも大事。エチオピアみたいなコミュニティーは衰退しちゃったから、あえて「通りすがれる仕組み」も大事。仕組みと言ったのは、まわりの人が1人とか2人とかでは限界があるからです。私自身、佐藤さんのニーズに応えきれていないなとか、何かを断る度に、「私って、人に冷たいのか?」とか、ジレンマを感じてきましたから。

松村:SOSを出す側も拾う側も、期待しすぎず、背負わないこと。がんじがらめの社会システムに、ちょっとした「スキマ」をつくろうと。そのぐらいのマインドでちょうどいい。

──日本人はシャイだけれど、大事なのは、「できないことは正直に断る」ってことかなと。気楽に、できることだけ引き受ける。困っている人に気安く手を貸せる人が増えたら、共感をベースにしたニューロンのヒゲみたいな援助の手が無数に伸びる気がします。

松村:共感の回路は、うまく開閉できたほうがいい。「ドロッと」と「サラッと」のドロサラの使い分けが、日本の孤独社会を解消する焦点になってくると思っています。

(聞き手/ノンフィクションライター・古川雅子)

AERA 2018年9月3日号より抜粋


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