これは大人の世界だけのことではなくて、子どもの世界にもある。

 みんなは、友達同士でおっぱいやおしり、おちんちんと言っておもしろがることはない? それがセクハラになっているかもしれない。ふざけているつもりでも、水着で隠れる場所は、手や足とは違う特別なところだ。相手が言い返してこないから、やめてと言わないからと勝手に決めつけてからかい続けると、相手が傷ついていることもあるんだ。

 仲間外れも同じだ。1対大勢のように力の差が大きくなったとき、「やめて」「どうして」と反論することができず、ただつくり笑いをしたり、知らんぷりをしてやり過ごしたりした経験はない? パワハラに直面しながら、がまんすることしかできない社会はすごく息苦しいはずだ。ハラスメントに立ち向かうことはとても勇気のいることだけれど、「やめてほしい」と声をあげることこそ、自分を守り、現状を変えられる一歩なんだ。きっと一緒に声をあげてくれる仲間もいるはずだ。(解説/弁護士・太田啓子)

【キーワード:ハラスメント】
いろいろな場面でみられるいやがらせやいじめなど。わざとかそうでないかに関係なく、相手に対する発言や行動などで相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、脅威を与えたりすることはハラスメントにあたる。セクシャルハラスメント(セクハラ)やパワーハラスメント(パワハラ)など、さまざまなハラスメントがある。

※月刊ジュニアエラ 2018年7月号より

ジュニアエラ 2018年 07 月号 [雑誌]

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太田啓子
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