性に関する悩み(AERA 2018年5月28日号より)
性に関する悩み(AERA 2018年5月28日号より)
性の悩み(AERA 2018年5月28日号より)
性の悩み(AERA 2018年5月28日号より)

 AERAが独自でアンケートをしたところ、65%の人が「セックスレス」で悩んでいるという結果が出た。いったい、日本で何が起きているのか。

【図表で見る】年代別 性の悩みは?

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 セックス――。人類誕生以来の普遍的な行為のはずなのに、「悩み」となると、口に出しにくい。AERAは4月下旬、リサーチ会社とアエラネットを通じて、独自のアンケートを試みた。

 以下の12のいずれの悩みを抱えているか聞いた(複数回答)。(1)「セックスレス」(2)「夫(妻)とはセックスしたくない」(3)「セックスのマンネリ化」(4)「子どもがいてセックスできない」(5)「自分はセックスしたいが相手が無関心」(6)「セックスする相手がいない」(7)「ED、早漏、不感症(オーガズムに達しない)」(8)「セックスの時に痛みを感じる」(9)「ある程度の年齢なのに、セックス未体験」(10)「障害を持つ子どもの性」(11)「老親の性」(12)「その他」。対象は20~60代以上の男女計568人。

 その結果、悩みの1位は男女ともに「セックスレス」で全体の計65%と、41%となった2位「ED、早漏、不感症(オーガズムに達しない)」以下を大きく引き離した。通常、1カ月以上性交渉がない状態を「セックスレス」と呼ぶ。日本家族計画協会(2016年)によれば、セックスレスは47.2%。本誌調査は単純に「セックスレス」と聞いたので割合が高くなったのかもしれないが、それでも5割近くがセックスレス。いったい、何が起きているのか。

 東邦大学医学部客員講師で、セックスカウンセラーの西郷理恵子さんが言う。

「欧米・中南米と比較すれば、日本人は日常的な愛情表現やスキンシップも極端に乏しい。長時間労働で睡眠時間も短く、日本に住んでいる外国人もセックスレスになります」

 さらに、若年層を中心に非正規雇用が増え、精神的な余裕のなさも関係しているのではないかと、西郷さんは分析する。

 今や、非正規雇用は全労働者の4割を占める。

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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