法政大教授 カタルーニャの独立意識は「2010年が境目だった」 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

法政大教授 カタルーニャの独立意識は「2010年が境目だった」

山本大輔AERA
カタルーニャ州議会議事堂のある公園の前で1月30日、独立賛成派議員の支援を強調する住民たち。前州首相のお面をかぶる人も多くいた(撮影/田澤耕)

カタルーニャ州議会議事堂のある公園の前で1月30日、独立賛成派議員の支援を強調する住民たち。前州首相のお面をかぶる人も多くいた(撮影/田澤耕)

カタルーニャ州の独立をめぐる最近の動き(AERA 2018年2月26日号より)

カタルーニャ州の独立をめぐる最近の動き(AERA 2018年2月26日号より)

田澤耕(たざわ・こう)/1953年、横浜市生まれ。東京銀行勤務などを経て法政大学教授。カタルーニャには長期滞在を含め、ほぼ毎年訪問(撮影/田澤耕)

田澤耕(たざわ・こう)/1953年、横浜市生まれ。東京銀行勤務などを経て法政大学教授。カタルーニャには長期滞在を含め、ほぼ毎年訪問(撮影/田澤耕)

 1月30日午後3時ごろ、スペイン北東部カタルーニャ州の州都バルセロナ。シウタデリャ公園には、数百人規模の人たちが集まっていた。公園にはカタルーニャ州議会議事堂がある。

【表で見る】カタルーニャ州の独立をめぐる最近の動き

 この日は州議会で、スペインから独立を宣言したカタルーニャの独立派政党が過半数を維持した州議会議員選挙(2017年12月21日)を受け、独立派のリーダーであるプッチダモン前州首相の再任となる投票が行われるはずだった。しかし、直前になって憲法裁判所が、国外にいるプッチダモン前州首相は指名を受けられないとの判断を示した。

 中央政府は、独立宣言を憲法違反として、独立阻止へ強硬策を取り続けて介入。逮捕状が出された前州首相はいま、ベルギー・ブリュッセルに逃亡している。帰国すれば逮捕されるため、戻りたくても戻れない。

 前州首相の秘密裏の帰国を徹底的に潰すため、中央政府は陸海空の国境を厳重警戒し、議事堂周辺の下水溝まで捜索するなど神経をとがらせる。この状況では首相指名の効力が保障されないと考え、議会側は投票を延期した。

「議会は我々のもの」
「一歩も後に引かないぞ」

 首相指名の延期を知りながらも公園の前に集まった独立賛成派の人たちが、「カタルーニャ独立旗」を持ったり、プッチダモン前州首相の顔写真のお面をかぶったりしながら、時折声をあげる。

 お面の画像はインターネットで拡散され、誰でも印刷して、かぶれるようになっていた。「大勢のプッチダモンがいれば、どれが本物か分からない」ということらしく、強硬姿勢を変えない中央政府への抗議の印だ。

 本誌は今回、予定された首相指名にあわせてバルセロナ入りした法政大学の田澤耕教授の協力を受け、現地の様子を取材した。中世には独立した王国を築き、スペインとは言葉や文化などが全く異なるカタルーニャを30年以上にわたって研究し続けてきた田澤教授は、独立賛成が約9割を占めた昨年10月の住民投票や12月の州議会選の時も現地入りしている。


トップにもどる AERA記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい