●仕事が続けられない

 全国で2万6千人超を数える待機児童。入園希望者を公平に審査するために「ポイント」を用いるのが一般的だ。その世帯が「どれだけ保育を必要としているか」が点数化され、点数の高い人が優先的に入園できる。

 例えば、両親が共にフルタイムで同点だった場合、「生活保護を受けている」「双子以上」「認可外保育園に預けて働いている」「きょうだいが認可園に在園」などで加点を得れば、優先される。これまでは、「早く認可外保育園に預けて働くことで加点を得て、4月から認可園に」が「必勝パターン」だった。だが、2017年4月入園の選考で、複数の自治体が加点の優先順位を変更。混乱が生じていた。

 冒頭の女性は16年3月、当時1歳だった次男を友人に預けて早期復職。16年度と17年度は5歳までの認可園だけを希望して全滅し、現在は0~2歳児を預かる認証園に通わせている。目黒区でも17年度までは、小規模認可園と認証園は同列だった。それなのに、18年度からは小規模認可園の子どもを優先する、というのが冒頭の基準変更。

「せめて1年前に告知してくれたら、小規模認可園を希望していた。来年度、認可園に入れなければ、仕事が続けられません」

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