女性は憤るが、小規模認可園を優先する自治体は増えるかもしれない。保活コンシェルジュサービスを提供するマザーネットの上田理恵子社長は「起こるべくして起きた現象」と話す。

●しわ寄せは子どもに

 小規模認可園は、待機児童の多い0~2歳児の受け皿を目指して、国の地域型保育事業として設置が進められてきた。3歳で行き場を失うのを防ぐため、国は20年までに3歳児以上も受け入れる保育施設と連携するよう指導しているが、それがなかなか進んでいない。

 目黒区保育課の担当者も、

「小規模認可園も認証園も、保護者にとって同じなのはわかります。しかし、国からは地域型保育事業の対応をするように言われているので……」

 と困惑気味。結局、目黒区は10月19日、周知期間が短かったことや、9月までの説明と今回の変更後の対応が違いすぎることを理由に、認可園と認証園を同列に扱うという従来通りの対応に戻すことを決めた。

 東京都武蔵野市に住む女性(41)も基準変更に振り回された一人だ。同市は15年度にきょうだい入園の加点を廃止。早期復職した場合と同様、育休を延長した場合にも加点がつくことになった。早期復職の加点で入園を目指したこの女性は次男(当時1)の保活に敗れ、いまは認証園に通わせる。「来年度は新設認可園に転園を」と思っていたが、近隣の反対で開園延期に。

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