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人間椅子・和嶋慎治が小学生時代に衝撃を受けた「ポー」

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和嶋慎治AERA

和嶋さんの読書遍歴は?(※写真はイメージ)

和嶋さんの読書遍歴は?(※写真はイメージ)

 子どもの頃読んで忘れられない本、学生時代に影響を受けた本、社会人として共鳴した本……。本との出会い・つきあい方は人それぞれ。各界で活躍する方々に、自身の人生の読書遍歴を振り返っていただくAERAの「読書days」。今回は、ハードロックバンド「人間椅子」のギター・ボーカルライターの和嶋慎治さんです。

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 内向的な子どもでした。物心つくのが早かったのでしょう、どうもほかの子どもたちのように無邪気に缶蹴りや陣地取りをすることができず、いつもしばらく考えあぐねてから行動する、といったふうでした。本を読むのが好きでした。小学校の図書館でシャーロック・ホームズに熱中し、次は江戸川乱歩の怪人二十面相です。犯罪ものばかりですが、今にして思えばここで道義的なものを学んだともいえます。悪は罰せられるとの教訓が根底にありますから。

 乱歩のペンネームがエドガー・アラン・ポーのもじりであると知り、当然のようにポーを手に取ります。愕然としました。悪夢のような、熱病のようなこの暗さはなんだろう。『黒猫』にしたところで、主題は天邪鬼の感情、そんな小説はそれまで読んだことがありません。ポーの晩年が悲惨であることを知って、また陶然。やがて、ポーとラヴクラフトに心酔する小学生が出来上がったのでした。(続)

AERA 2017年9月4日


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