ダブル選大勝から約10カ月後の2012年9月、国政進出のため「日本維新の会」を発足。翌10月、野党時代の自民党・安倍総裁と国会内で握手する橋下氏  (c)朝日新聞社
ダブル選大勝から約10カ月後の2012年9月、国政進出のため「日本維新の会」を発足。翌10月、野党時代の自民党・安倍総裁と国会内で握手する橋下氏  (c)朝日新聞社
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「安倍首相ガンバレ」を叫ぶ子どもたち、教育勅語を朗唱させる幼稚園……。森友学園問題に端を発して「右翼」という人たちが、にわかにクローズアップされている。AERA 2017年5月1-8日号では「右傾化する日本」を大特集。「右翼」って何?「保守」とどう違う? 素朴な疑問に答える。

 地域政党として大阪都構想を掲げ、大阪の第1党となって久しい「大阪維新の会」(代表・松井一郎大阪府知事)。同党を母体にした全国政党が分裂し(現日本維新の会)、共同代表だった橋下徹氏が引退して去って以降も、選挙では変わらぬ強さをみせる。その強さは、安倍政権と親和性の高い「自民党より右」と言われる路線ゆえの現象なのか。

「維新が大阪で継続的に支持されているのは、橋下氏が人気者であるとか、行政サービス充実化などの要因と関係があるとは考えていません。大阪市という行政区域を超え、周辺のベッドタウンを含めたより広い意味の『大阪』の利益を代表可能な唯一の政党。そういう価値が維新というラベルにあると認識されていることにあると思います」 こう主張するのは、関西学院大学法学部准教授の善教将大氏(34)だ。橋下氏と松井氏が勝利した2011年の大阪府知事・大阪市長のダブル選以降、維新への支持態度の分析を続け、維新を支持する有権者の動機などを解明してきた。維新が国政に進出する契機となった12年12月の衆院選における有権者の投票行動や、僅差(きんさ)ながらも反対多数となった15年5月の特別区設置住民投票(※注1)下の大阪市民の投票行動のメカニズムを解明するために、数多くの意識調査を実施し、研究論文を発表し続けている。

●大阪から離れると弱い

 最も顕著に「維新」の強さの原因が浮き彫りになったのが、昨夏の参院選の結果だ。橋下氏が大阪市長として臨んだ都構想の是非を問う住民投票で敗れて引退、その後継市長と府知事を選ぶ同年11月のダブル選で維新は勝利した。続く翌16年の参院選で、大阪選挙区(改選数4)は約140万票の大量得票で、元府議の浅田均氏と、元堺市議の高木佳保里氏の2人を当選させた。

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