舞台『エッグ・スタンド』萩尾望都氏インタビュー (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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舞台『エッグ・スタンド』萩尾望都氏インタビュー

矢内裕子AERA
「卵と同じように、世界はとても壊れやすいもので、エッグ・スタンドの上にのせて守らないと壊れてしまう、という危機感があるんです」
(※写真はイメージ)

「卵と同じように、世界はとても壊れやすいもので、エッグ・スタンドの上にのせて守らないと壊れてしまう、という危機感があるんです」 (※写真はイメージ)

 どちらの作品にもユダヤ系の少女が登場する。自分に非がないのに社会から追われ、居場所を奪われる存在だ。

「戦争でもっとも悲惨なのは子どもの死です。だって何も知らないまま、亡くなってしまうんですから」 

●演劇の魅力は時の共有

 野田秀樹脚本・演出の『半神』など、舞台化された作品も多く、演劇が好きだという萩尾さん。

「演劇の魅力は、舞台と客席が時間を共有できること。同じ空気のなかで、一瞬ごとに観客と役者が見えないキャッチボールをして、一緒につくりあげるのが芝居の良さですね。映画はどう見ても変わりませんが、演劇は観客によって変化する生き物のようです」

 作品中では「卵」「雛」「ヒヨッコ」が重要なモチーフとなり、タイトルにつながっていく。

「卵と同じように、世界はとても壊れやすいもので、エッグ・スタンドの上にのせて守らないと壊れてしまう、という危機感があるんです」

 萩尾さんは、「今の日本が戦争に近づいているのではないか」と、危惧する。最後に作中のマルシャンのセリフを紹介しておこう。

「戦争は戦争/破壊だ/平和は平和の中にしかない」

(ライター・矢内裕子)

AERA 2017年3月27日号


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