千代田区長選で当選を確実にし、喜ぶ石川雅己氏(右)と小池百合子都知事=5日 (c)朝日新聞社
千代田区長選で当選を確実にし、喜ぶ石川雅己氏(右)と小池百合子都知事=5日 (c)朝日新聞社
野田数(のだ・かずさ)/1973年東京都生まれ。2016年に小池氏の都知事選の選対本部責任者を務め、その後、都知事政務担当特別秘書、小池百合子政経塾「希望の塾」事務局長。現在、「都民ファーストの会」代表(撮影/工藤隆太郎)
野田数(のだ・かずさ)/1973年東京都生まれ。2016年に小池氏の都知事選の選対本部責任者を務め、その後、都知事政務担当特別秘書、小池百合子政経塾「希望の塾」事務局長。現在、「都民ファーストの会」代表(撮影/工藤隆太郎)

 今年1月、地域政党として活動することを発表した「都民ファーストの会」=いわゆる小池新党。その代表に就任した都知事の懐刀が、本誌の直撃に答えた。

 2月5日に投開票が行われた千代田区長選で、小池百合子・東京都知事が支援した現職の石川雅己氏が自民党推薦候補にトリプルスコアで圧勝。地域政党としては華々しい初陣を飾った。

──都民ファーストの会は、何を都民に訴える政党なのか。

 情報公開を軸にした都政の透明化、東京五輪などに向けた税金の「ワイズスペンディング」(賢い支出)徹底など、小池知事が去年の都知事選で訴えた主張の後押しをするグループです。

──小池知事はなぜ代表にならないのか。

 知事になって初めての予算編成を控えており、まずは公務に全力で取り組むということです。

──千代田区での圧勝をどう見ているか。

 ここ十数年の中で最も選挙に強い自民党に勝てたことは弾みにはなりました。小池知事になり、これまで都政で行われてきたことが白日のもとにさらされたことへの都民の思いが形になったと思います。ただ、7月の都議選に向けて楽観はしていない。これから我々が何を実現していくかが問われると思います。

●都議会自民党はムラ

 千代田区長選の惨敗を受け、下村博文・自民党都連会長は「敵対関係という気持ちは全くない。是々非々を貫いていきたい」と述べた。一方で野田氏は、古巣でもある都議会自民党との対決姿勢を鮮明に打ち出す。

──小池知事の主張は、既存の政党と組んでは実現できないのか。

 これまでの都議会自民党のドン(内田茂都議)やその周辺が主導権を握り、歴代都知事と結託した都政では、これらの主張は実現できませんでした。築地市場移転問題や五輪の経費問題も彼らが主導的に都知事と結託し進めてきた。この構造に風穴を開けるために、私たちが議会に一定の勢力を保つ必要があります。

──政策的には一致する点も多そうだが、なぜ都議会自民党と相いれないのか。

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福井洋平

福井洋平

2001年朝日新聞社に入社。週刊朝日、青森総局、AERA、AERAムック教育、ジュニア編集部などを経て2023年「あさがくナビ」編集長に就任。「就活ニュースペーパー」で就活生の役に立つ情報を発信中。

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