セブン鈴木前会長の次男取締役退任へ、存在感強める創業家の力 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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セブン鈴木前会長の次男取締役退任へ、存在感強める創業家の力

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田茂井治AERA
鈴木康弘取締役の退任に関して、セブン&アイ広報担当者は「経営責任を取らされた、ということではありません」と回答。今後のオムニチャネル事業は、後藤克弘副社長(オムニチャネル管掌)が主導していくことになるという(撮影/写真部・大野洋介)

鈴木康弘取締役の退任に関して、セブン&アイ広報担当者は「経営責任を取らされた、ということではありません」と回答。今後のオムニチャネル事業は、後藤克弘副社長(オムニチャネル管掌)が主導していくことになるという(撮影/写真部・大野洋介)

「流通の神様」のDNAは途絶えるのか?一大流通グループに育て上げた鈴木・前会長(現名誉顧問)の次男・康弘氏の取締役退任は何を意味するのか。

 2006年にセブン&アイグループ入りした康弘氏は、父の下でIT・メディア事業を担当。15年にはセブン&アイ・ホールディングス(HD)取締役に就任し、ネットと実店舗を融合させる「オムニチャネル」戦略を主導してきた。

 だが、その経営手腕は評価できるものではなかったという。コンビニ業界に詳しい流通ジャーナリストが話す。

「当初、セブンとトーハン、ヤフーなどの合弁会社であるイー・ショッピング・ブックス(現セブン&アイ・ネットメディア)の社長を任されていたが、同社は赤字続きでした。にもかかわらず、同社がセブンの子会社として吸収された後も社長のまま。事実上の昇進人事でした」

●「一区切りついた」と退任

 グループのポータル的位置づけのECサイト「オムニ7」をはじめ、WEB戦略を一手に担う立場になっても、実績を残すことはできなかった。

 セブン&アイは16年9月の「オムニ7構想」発表時に15年2月期のEC売り上げを1600億円と明かしていたが、16年には子会社ニッセンの業績低迷が響いてEC売り上げが1400億円に減少した。今年8月の中間決算でも660億円にとどまり、当初掲げた19年2月期における売上高目標1兆円の達成には程遠い状況だった。

 セブン&アイ広報部は「鈴木(康弘)自らオムニチャネル事業に一区切りついたという理由で退任を申し出たと聞いています」と話している。

 コンビニ業界も取材する別のジャーナリストが話す。

「4月に鈴木(敏文)会長が辞任を表明した時点で、康弘氏の辞任も時間の問題でした。井阪隆一HD社長(前セブン-イレブン・ジャパン社長)体制に移行して半年後の今年10月に発表された中期経営計画が、事実上の辞任勧告となってしまった」

●乖離したオムニチャネル

「100日プラン」と題して18年2月期からの経営企画を発表した際、井阪社長は「オムニチャネルは当初計画と乖離した状況」と説明。アマゾンや楽天市場に対抗できる不特定多数をターゲットにしたECサイトをグループ内で育てるという目標を達成し、1日当たり2200万人にものぼる実店舗の来店者情報を一元管理して新たなサービスと商品を訴求していく“新・オムニチャネル戦略”を披露したのだ。康弘氏が主導してきた戦略を一から見直した格好だった。


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