緊張続く尖閣周辺 尖閣専従班600人体制、海上保安庁の消耗戦 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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緊張続く尖閣周辺 尖閣専従班600人体制、海上保安庁の消耗戦

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山本大輔AERA#中国#尖閣
沖縄・石垣島に停泊する海保の巡視船。港を確保するのも容易ではない(写真:海上保安庁提供)

沖縄・石垣島に停泊する海保の巡視船。港を確保するのも容易ではない(写真:海上保安庁提供)

中国海警局の公船と並走する海保の巡視船。日中のにらみ合いが続く(写真:海上保安庁提供)

中国海警局の公船と並走する海保の巡視船。日中のにらみ合いが続く(写真:海上保安庁提供)

 尖閣諸島で繰り返される中国の領海侵入。現場で体を張るのは、海上保安庁の専従班。すさまじい勢いで海洋警察の組織強化を進める中国に対し、緊張が高まる。

「貴船は我が国の領海に侵入している。日本領海内の無害ではない航行は認めない。直ちに出域せよ──」

 8月上旬、沖縄本島の西方約410キロにある尖閣諸島。島影がはっきりと見える最大の島・魚釣島。その目と鼻の先の海域まで中国公船が侵入した。海保の大型巡視船が接近し、船体側面に設置した電光掲示板で中国語の警告文を流す。無線からも中国語で警告した。

 船体に「海警」と記された中国海警局所属の公船が退去命令に従うことはない。逆に日本語で「ここは中国の領海だ。そちらが直ちに出て行け」と言い返される。中国の海警局は、日本の海保、米国の沿岸警備隊にあたる海洋警察だ。位置づけは軍ではないが、機関砲らしきものを積んだ公船もある。張りつめた空気の中で、カーチェイスさながらの神経戦が日々繰り返される。

「相手が何をしてくるのか分からない状況だけに、かなりの緊張を強いられる」

 ある海保幹部は本誌の取材に、そうつぶやいた。領海(沿岸から約22キロ)と、その外縁を取り巻く接続水域(約22キロ)から中国公船が出て行くまで追尾、警告を続ける。

●尖閣の上陸阻止に全力

 最悪のシナリオは、日本が実効支配する尖閣に、中国公船の上陸を許すことだ。だからこそ先に海域を離脱するような状況は許されない。巡視船の航続距離や速度などの性能、展開する隻数に至るまで、常に中国側を上回ることが重要となる。

 中国公船が尖閣周辺の領海に初めて侵入したのは2008年12月。2隻が約9時間にわたり航行や漂泊を続けた。10年9月に同領海内で中国漁船が海保巡視船2隻に衝突する事件が起きると、中国公船の出現頻度が増える。

 それが常態化したのは12年9月、民間所有だった尖閣諸島を日本が国有化してからだ。海保によると接続水域に常時3~4隻が展開し、月約2~3回、それぞれ約2時間の領海侵入をするようになった。15年12月には機関砲を搭載した中国公船が領海侵入するのも初めて確認した。

 今年8月5日には中国漁船が突然、最大約300隻の大集団で海域に現れた。同9日までに中国公船も続々と接続水域に集結した。その数は過去最大の15隻となり、延べ28隻が領海に侵入した。


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