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盛況!新宿ゴールデン街のここが楽しい 東京最強のレトロスポット

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by 福光恵 (更新 )

ときどき新しい風が吹いては、その都度ちゃんと進化を遂げてきた「ゴールデン街」。今年に入ってからも、けっこう大きな風が吹いた(撮影/植田真紗美)

ときどき新しい風が吹いては、その都度ちゃんと進化を遂げてきた「ゴールデン街」。今年に入ってからも、けっこう大きな風が吹いた(撮影/植田真紗美)

 都庁のお膝元・新宿にある「ゴールデン街」。火災への迅速な対応によって安全性が周知され、外国の観光ガイドに掲載されるなどして以前より集客が増えたという。靖国通りから延びる遊歩道を抜けた先の地図を頼りに、さあこぎ出そう。

「東京ドーム」でいうと、わずか7分の1個分ほどの敷地。そこに約280軒もの飲食店が軒を連ねる「新宿ゴールデン街」。新宿・歌舞伎町の一角。縦横に延びた路地に、看板がひしめく巨大飲み屋街の街並みは、昭和の風景そのものだ。でもこの街の時間は、昭和のまんま止まってなんていない。

「ごめんなさい。火事で焼けちゃったまま、まだ名刺を作ってなくて」

 4月にゴールデン街で起きた火災の、火元近くのバー「グリゼット」の裕子さんは、店が被害を受けたママのひとりだ。カウンターのある1階はほぼ無事だったが、2階が延焼。改装などのためようやく「グリゼット」を再開できたのは、4カ月半後の8月のことだった。

●よくも悪くも村社会

 あの火災で全半焼した15店舗のなかでは、かなり早い再開だった。心配して連絡をくれたたくさんのお客さんにも励まされ、知り合いのママが紹介してくれたゴールデン街のほかの店で、バイトをしてしのいだという。

「ここはいい意味でも、悪い意味でも“村社会”。そのありがたみを、こんなに感じたこともなかった。というか、そもそも火事なんてなければ、一番よかったんですけどね」

 原因は放火。犯人逮捕につながったのは、商店会によって街中に設置された防犯カメラだ。団結によって守られた街。そんなイメージがニュースとともに、日本全国に広まった。街を歩くと、火災から半年経って、「以前より人出が増えた」という声をよく聞いた。

 一方、「グリゼット」の店内に目を移すと2階のギャラリー兼のスペースがきれいに改装されて次の展覧会を待っていた。実はこの店は、美術をテーマにしたいわゆる「コンセプトバー」。グラフィックデザイナーだったママの審美眼で2階スペースを使った若手作家の展覧会も年数回のペースで開いている。

 昭和の高度成長期、そうそうたる作家たちが通う「文壇バー」の存在がゴールデン街を有名にしたが、その伝統を受け継ぐかのように、今もさまざまなコンセプトバーが存在している。文学、演劇、音楽はもちろんのこと、コンピューターゲームから猫まで、各種コンセプトバーがゴールデン街らしく味付けされ、新たな客層を呼んでいる。

「6年前、26歳で店を開いたときは、ゴールデン街で一番若いママと言われたんですけどね」


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