「グローバル社会では、日本のルールを押しつけるのではなく、相手にとってのメリットを伝えることが重要です」

 例えば、先のSNSの事例なら、模範解答はこんなふう。

「万が一、この写真によって機密情報が漏れた場合、あなたは責任を取れますか?」
「業務時間に写真を撮っていたら、あなたの評価を落とすことになりますよ」

 私のコミュニケーションは、「日本流」を押しつける一方的なものだったらしい。

 理想のグローバル人材とは、どんな人物なのか。アエラは、グローバルに事業を展開する65社に「グローバル人材」の要件を聞いた。

「グローバル人材」という言葉がマスコミをにぎわせるようになって久しい。社内の公用語を英語にした日本企業も増えてきたが、グローバル人材の要件として「語学力が最も重要」と回答したのは、65社中わずか4社。逆に約3分の1の22社が「コミュニケーション能力が最も重要」と答えた。これで、冒頭の研修が日本語だったこともうなずける。

AERA 2015年11月9日号より抜粋