小学5年の女の子でラジオネーム「カエルくん」の相談は、「お父さんがお酒を飲むとうるさい」だったが、実際は、酔うと同じことしか言わず家族に絡む父と、父を無視し続ける兄や母という家族の冷めた関係に悩んでいた。「本当はみんなで一緒に外で遊んだりしたい」と最後に本当の気持ちを話した。レモンさんは言う。

「子どもたちは最初からすらすらと自分が置かれた状況や胸の内、本当の望みを話すことはできないんです」

 長年の経験でそれを知るからこそ番組では子どもに何度も聞く。

「うん、うん、それで?」「それは、こういうこと?」

 素直に打ち明けられなかった子には何度も呼びかける。

「また何度でもつながろう」

 子どもたちが親ではなく番組に相談を寄せる理由を、「ウィーアー親戚」を合言葉にするDJのレモンさんはこう話す。

「ひたすら注意深く聞く。子どもたちの中にある解決策、勇気、生きていく力を引き出すお膳立てをしている番組だからではないでしょうか」

AERA 2014年1月27日号より抜粋