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原発事故で人の消えた村に進出する県外企業

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 原発事故で全村避難を余儀なくされた福島県双葉郡の川内村。しかし、この放射能汚染に悩まされる村に、菊池製作所(東京都八王子市)と家具工房ニングル(北海道剣淵町)など3社が進出。東京や北海道から新たに進出した企業の狙いとは。

 菊池製作所は廃校となった高校の校舎と体育館を転用し、アルミダイキャストの加工工場を今月末から稼働させる。投資額は4億6千万円で、県と村の補助金で全額を賄う。主に村内から30人を新規採用し、福島県二本松市などの工場で研修中だ。同社は川内村での雇用を最大50人まで拡大させる意向だ。

 同社には以前から川内村への進出計画があったが、震災で立ち消えになっていた。帰村宣言以後、村の働きかけもあり、「採算性や復興支援も考慮して進出を決めた」(経営企画部)。

 ニングルは北海道産のハルニレ木材を利用した家具を製作している。とりまとめ役が工房長の長田哲史さん(39)だ。今年5月、この工房を共同で運営する取引先の四季工房から、北海道剣淵町の工房に連絡があった。川内村で家具作りに挑戦しないかという誘いだった。長田さんは即座に志願した。

「工房の立ち上げと運営にかかわれて、しかも、復興の後押しを自分ができるなんて。今は注文が多すぎて、猫の手も借りたいほど。あと4~5人は来てほしい。地元の人たちと一緒に仕事をしたい」

 川内村で育ち、海外で生活していた青山江里香さん(22)は今年8月、父親や祖父母が心配になって帰国した。9月末、ニングルに加わった。

「仲間に仕事を教わりながら、家具を組み立てるのが楽しい。おじいちゃん、おばあちゃんもいるし、川内村の自然がいい。ずっとここに住みたい」

 12月にはコンビニも再開される見込みだ。原発事故で2年間途絶えたコメの作付けも来年からの再開が決まった。いよいよ川内村の本格的な復興が始まった。

AERA 2012年12月3日号


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