消費増税を前に、気になるマンション市場。どうせ買うなら、来るべき大地震にも強く、子育ても女性も安心という「防災・防犯」両立物件を。

 しかし防災、防犯、利便性・資産性どれも最強のマンションは、年収が数千万円ないと手を出しづらい物件が多い。リーズナブルに「プチ最強」な物件を探すには、例えば「都心に近い」といった条件をあきらめる必要がある。

「今のマンション購入のトレンドは『質実剛健型』です」

 住宅評論家の櫻井幸雄さんは、そう語る。人気の薄かった東武東上線や伊勢崎線、都営三田線などの「穴場路線」が「手ごろさ」で注目されているという。

 中でも人気なのが、千葉県船橋市の「プラウド船橋」。すでに完売した一、二街区は、最多価格帯3900万円という手の出しやすい値段設定だ。最寄り駅は東武野田線新船橋駅。高評価となった理由の一つは、エコとセキュリティーを組み合わせた街づくりだ。太陽光発電と電気自動車を組み合わせた「PV-EVシステム」をマンションで初めて導入し、敷地内を常時電気自動車で巡回することで防犯対策とコスト削減を両立。支持層までの杭長は30~50 メートルとやや長いが、内陸寄りということもあって洪水や津波の心配が少なく、防災面でも合格点をつけられる。

 タワーマンション2棟を売り出す、つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅近くの「パークシティ柏の葉キャンパス二番街」は、節水や節電をすれば買い物に使えるポイントがたまるという省エネシステムに加え、24時間有人管理や、ICタグを持っていれば鍵をかざさなくてもマンション内に入れ、タグを持っていない人間は排除する「ハンズフリーセキュリティシステム」など防犯対策に気を配っている点も評価が高い。

AERA 2012年10月22日号