朝食にフルーツを食べる習慣のある人のなかには、かつて母親や祖母から「果物は金」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。



 30年以上にわたって日本人の正しい食事を研究し、ベストセラー『これを食べれば医者はいらない』の著者である若杉友子さんは、朝から果物を食べることについて警鐘をならしています。



 マクロビオティックの提唱者である故・桜沢如一さんが広めた理論によれば、そもそも野菜や果物といった食物は、身体を温める「陽性」と冷やす「陰性」に分かれるとされています。例えば、「陰性」の食べ物をとりいれ続けると身体は「陰性」になり、結果、貧血症、冷え性、低血圧などを招く原因にもなるそう。そのため、自分の身体の調子に合わせて「陰」「陽」をバランスよく取り入れるのが理想の食生活とされています。



 では、「朝の果物」はどうなのでしょう。若杉さんは近著『こうして作れば医者はいらない』のなかで、「『朝の果物は金』は大ウソ」と一刀両断。果物の多くは陰性の食べものであるため、食べ過ぎると身体がゆるみっぱなし、冷えっぱなしになる(本文より)というのです。



 日本には、古来から「柿食えば冷える」「屋敷に生りもの(果物)の木を植えると病人が絶えない」ということわざもあるそう。若杉さんは本書のなかで、日本人が昔から工夫して作り上げて来た料理や食習慣を見直すことこそ、真の健康体を取り戻す鍵になると訴えています。食生活の改善を試みようとしている人は、若杉さんの考え方に触れてみてはいかがでしょうか。