ベテラン俳優たちが織りなす人情喜劇「それいけ!ゲートボールさくら組」が5月12日から公開される。ゲートボールに初挑戦したという主演の藤竜也さん(81)とヒロイン山口果林さん(75)が語り合った。
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──芸歴60年の藤さんと50年超の山口さんだが、共演は今回が初めて。高校時代にラグビー部だった桃次郎(藤)はある日、マネジャーだったサクラ(山口)に再会。彼女の窮地を救うため、かつてのラグビー部仲間と共にゲートボールで再起を図ろうとする。
藤:ゲートボールはこの映画が初めて。だから、撮影前にクラブに入って、相当うまくなってから出たいと思ったんです。それを監督に言ったら「みんな何もできないところから始めるのでできなくていいんです」と。ただ、「CGで球はどこにでも自由自在ですから」と言うので「それはいいな」と思っていたんですが、実際は全然、自由自在ではなく、「球はきちんと入れてください」って。多い時は10回ぐらいNGを出しました。
山口:私もスティックが重くて驚きました。事前に練習はされたんですか?
藤:家の近くの公園で少し。あとは現場で。コツコツ練習していました。ボールを打つだけだったらみんな撮影期間中の練習で入るようになったんですが、(チーム競技なので)戦略が高度らしい。僕たちは台本どおりに動いていましたけど、全くわかりませんでした。ゲートボールは高齢の方が気楽にやっている印象でしたが、相当トレーニングしないとダメだと知りました。でも、ゲートボールができる場所って意外と少ないんですよね。
山口:いろんなところでロケをしましたね。埼玉県東松山、神奈川県相模原……。
藤:千葉県の奥のほう(苦笑)。皆さん自分の車で通勤していましたけど、私も1日6時間ぐらい車の中にいたことがありました。石倉三郎さんと「この現場通いを乗り越えられたら自分を褒めてやりたい」って言い合っていたくらい遠かった。