国があまりに鈍なのだ 感染者急増の東京、人波を恨めしい気分で作家・下重暁子は眺めた (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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国があまりに鈍なのだ 感染者急増の東京、人波を恨めしい気分で作家・下重暁子は眺めた

連載「ときめきは前ぶれもなく」

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下重暁子週刊朝日#新型コロナウイルス
作家の下重暁子さん

作家の下重暁子さん

写真はイメージです(Getty Images)

写真はイメージです(Getty Images)

 人間としてのあり方や生き方を問いかけてきた作家・下重暁子氏の連載「ときめきは前ぶれもなく」。今回は、新型コロナウイルスの第三波への政府の施策について。

【写真】国と足並みがそろわない?アピール上手なのはこの方
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 所用があり、銀座へ出かけた。このところは、タクシーでまっすぐ目的地まで行き、用がすんだら、またまっすぐ帰る。自宅が都心なのでこんなことも可能なのだが、日曜日のせいか全く人通りは減ってはいなかった。途中通りすぎた六本木も若い人たちの往来が激しい。

「大丈夫?」

 後期高齢者としては恨めしい気分で人波を見つめる。

 コロナの第三波とやらが襲来してからの東京都の感染者は、あれよあれよといううちに五〇〇人、六〇〇人を超し、一方でGo Toトラベルが来年の六月まで延びたとか。一体どうなってるのと不安が増すなか、ようやく国がGo Toの一律停止に踏み切った。国民がどれだけほっとしたかわからない。

 しかし、多くの医者や識者が指摘しているように、二~三週間遅かった。どうも日本の場合、少しずつ様子見で思い切った手を打たない。地方自治体の首長はそれなりに真剣だが、国との足並みがそろわない。

 国があまりに鈍なのだ。現場の医師たちが声をそろえ、機会をとらえて警告しているその悲痛な叫びが聞こえないのだろうか。

 つくづく、施策の一つ一つにメリハリがないと思える。

 フランスのマクロン大統領は都市をロックダウンするかわりに、最も人々が楽しみにしているクリスマス・イヴは、夜間の外出を可能とした。「楽しんでください」。しかし、その後はまたきっちり規制を守る。

 ドイツのメルケル首相もテレビで両手を振り回して危機を警告、そのかわり結果が出たらもとの社会生活へと、実にメリハリが利いている。

 そこで「メリハリ」とは何か広辞苑で引いてみた。メリとは減りであり、ハリとは張りである。ゆるむことと張ること。この二つを上手に使いわけることが大切なのだ。


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