反大阪都構想の演説をぶち、拍手喝さいだった山本太郎・れいわ新選組代表(撮影/今西憲之)
反大阪都構想の演説をぶち、拍手喝さいだった山本太郎・れいわ新選組代表(撮影/今西憲之)
大阪維新の吉村代表代行(左)、松井代表(中央)と公明党大阪府本部代表の佐藤衆院議員(撮影/今西憲之)
大阪維新の吉村代表代行(左)、松井代表(中央)と公明党大阪府本部代表の佐藤衆院議員(撮影/今西憲之)

 大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」の住民投票が11月1日、否決され、大阪維新の会の松井一郎代表は敗北の責任を取って引退を表明した。大阪維新所属の市議は悔しそうにこう話した。

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「前回より投票率が下がったこと、若い層の8割くらい、賛成かと思っていたが、そうではなかった。想定外の数字だった。山本太郎はまったく影響ないと思っていたのに、やられてしまった。最後の演説で賛成票5~6千票くらいが逃げた。逆にアテにしていた公明党が頼りにならんかった。ぜんぜんあかん。痛かったわ」

 維新に「まったく影響ない」と思われていたれいわ新選組の山本太郎代表。山本氏は住民投票がはじまった10月12日から大阪入り。本誌で既報した通り、大阪の歓楽街・道頓堀のグリコの看板前で反対の街頭演説を試みて、大阪府警と1時間以上に渡り、バトルを演じた。

 その後も山本氏は大阪にとどまり連日、演説会の告知をせず、ゲリラ的に反対の訴えを5、6カ所で繰り返した。住民投票の最終日の10月31日、大阪・梅田のターミナルの演説には大勢の市民が集まり、その6、7割が若者だった。

 集まった若者たちに話を聞くと、「山本太郎さん、生で大阪で見られる機会はそうないやんか」「れいわ新選組の山本さんと舞台になっているトラックの写真を撮ってSNSに投稿したかった」などと語った。

 山本氏は若者たちにこう訴えた。

「維新のキャッチコピー、大阪の成長を止めるな、やられたと思いました。大阪の成長戦略、IR、カジノと言ってます。ふわぁ~として響きいい。日本語に直したら、大阪の成長戦略は博打場。これ汚い、空気悪そう窓開けようと思うやん」

「大阪が成長しているか? 橋下さんからはじまった維新のこの10年。数字を見てください。成長止まっとるやん。これ、デマやん。松井さん、めがねは格好いいが、言うてること格好悪いやん。日本で2番目の大阪、成長させられない方が間抜け」

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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山本太郎節に拍手喝采だったなにわ