ロッテの佐々木朗希=3月27日(C)朝日新聞社
ロッテの佐々木朗希=3月27日(C)朝日新聞社
岩手・大船渡高時代の佐々木朗希=昨年7月(C)朝日新聞社
岩手・大船渡高時代の佐々木朗希=昨年7月(C)朝日新聞社

 今年のプロ野球界を最も盛り上げているのがロッテだ。新型コロナウイルスの感染により、主力選手が大量離脱したが、パ・リーグ首位のソフトバンクに1ゲーム差の2位(10月10日現在)と必死に食らいついている。

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 ロッテは4日に先発ローテーションを担う岩下大輝と1軍スタッフ1人の新型コロナ感染を発表。その後に監督、コーチ、選手、スタッフらにPCR検査を行った結果、荻野貴司、角中勝也、清田育宏、菅野剛士、鳥谷敬、藤岡裕大、三木亮と今季の快進撃の立役者として奮闘していた主力7選手も感染が判明した。さらに、和田康士朗、東妻勇輔、小野郁、山本大貴も岩下の濃厚接触者として特定され、計12人の選手が登録抹消される事態となった。

 ロッテの番記者は、こう言葉に力を込める。

「ソフトバンクには直接対決で11勝5敗1分と相性が良いですが、戦力差があることは否めない。ここにきて主力の大量離脱は痛すぎます。しかも外野手が5人、遊撃手が3人と同じポジションの選手が大量に被っている。1軍昇格した藤原恭大、佐々木千隼ら『ドラ1』たちを含めた若手たちの頑張りがペナントレースの命運を握っています」

 ただ、暗い材料ばかりではない。先発要員でコロナの感染が判明したのは岩下のみ。六回まで試合をつくれば、「勝利の方程式」を担うセットアッパーの唐川侑己、沢村拓一、守護神・益田直也で逃げ切るスタイルで十分に戦える。

 気になるのは163キロ右腕の黄金ルーキー・佐々木朗希の1軍デビューだ。高卒の新人はファームで鍛錬を積み重ねるのが一般的だが、佐々木朗は吉井理人投手コーチの管理下で、シーズンを通じて1軍に同行する異例の待遇で体力作りに専念している。現時点で1、2軍を通じて実戦登板はないが、1軍デビューのXデーはいつになるだろうか。

「今後の状態次第ですが、体が仕上がってきたら1イニング限定で十分に投げられる。首脳陣も今年中に1軍デビューさせたい考えは持っているようです。ソフトバンクとの首位争いが最後までもつれたら、切り札になる可能性は十分に秘めています。あれだけの豪速球を投げられる投手は球界にいませんから」(前出のロッテ担当)

 もちろん、故障してしまえば元も子もないので焦らせてはいけない。ただ、15年ぶりのリーグ優勝を狙うロッテの最終兵器として、「令和の怪物」がマウンドに上がる日が楽しみだ。(梅宮昌宗)

※週刊朝日オンライン限定記事