「足のスペシャリスト」が優勝争いのカギ? 東尾修、福本豊との思い出も語る (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「足のスペシャリスト」が優勝争いのカギ? 東尾修、福本豊との思い出も語る

連載「ときどきビーンボール」

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東尾修

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通算1065盗塁を決めた阪急(現オリックス)の福本豊(1972年撮影) (c)朝日新聞社

通算1065盗塁を決めた阪急(現オリックス)の福本豊(1972年撮影) (c)朝日新聞社

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、今シーズン上位を争う球団には足の速い選手がいることを指摘する。

【写真】通算1065盗塁を決めた阪急(現オリックス)の福本豊さん

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 プロ野球はシーズン120試合の半分を折り返した。例年なら9月というと、優勝争いも最終盤に突入するところだが、今年は違う。セ・リーグは巨人、パ・リーグはソフトバンクが首位を走っているが、ここから、もうひと山、ふた山あるはずだ。

 今年の傾向として「足のスペシャリスト」をベンチに置く球団が目立つ。上位にいる巨人は増田大輝、阪神は植田海という選手が出てきている。パもソフトバンクが昨年ブレークした周東佑京、ロッテ・和田康士朗に、オリックスも佐野皓大。終盤の勝負どころで、回の先頭打者が出塁すれば、代走で盗塁を決めて無死二塁。さらにワンヒットでかえってくる確率は高い。

 攻撃側は「バントで相手に1死を与えて得点圏に走者を送る」という考えを捨てられる。「無死二塁」の形を作れれば、3人の打者に安打を期待することが可能だ。単純に得点圏打率が3割なら、3人で安打1本を打つ確率は高いといえる。

 私が現役の頃は7~9番の打者は非力で、甘いところに投げなければ外野の頭を越える打球は想定しなくて良かった。だから、そういった打者が無死一塁で打席に立つと、「1死を与えても確実に二塁へ」という考えに基づき「100%送りバント」ということが多かった。だが、時代は流れ、バットの質も打者のパワーも飛躍的に上がった。もはや下位打線の選手でも、前進守備の外野手の頭を簡単に越えるパワーがある。一打サヨナラの場面でなければ、外野手の守備位置も極端に浅く守るということはできない。

 私も現役時代にどうしても走られる選手がいた。プロ野球記録の通算1065盗塁を誇る阪急(現オリックス)の福本豊さんだ。8分程度のリードしか取らないから得意のけん制にも引っかかってくれず、やっかいだった。ウエストしてもセーフ。完全にモーションを盗まれた。


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